年金より先に心配すべきだった…スマホ一台で資産が消えたように見えた朝の出来事

安心感のあるオフィスの風景
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60代が見落としている本当の老後リスク――「パスキー難民」になった瞬間、資産が凍る日

安心感のあるオフィスの風景

梅雨空が続く6月です。庭のアジサイが色づき始め、朝の散歩では田んぼのカエルの声が聞こえる季節になりました。

私も60代になり、老後資金や健康について考える機会が増えました。NISAや配当株、年金の話題はよく見かけます。しかし最近、私が気になっているのは、誰もあまり語らない「デジタル認証」という問題です。

正直なところ、数年前までは「パスワードさえ覚えておけば大丈夫だろう」と思っていました。

ところが今、金融機関や証券会社では、従来のID・パスワードから顔認証や指紋認証を使う「パスキー」という仕組みに移行する流れが加速しています。証券口座の乗っ取り被害が増えたことも背景にあるようです。

この変化は、資産形成よりも先に、私たち60代の生活そのものを変えてしまうかもしれません。

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老後資金より怖い「自分の資産に入れなくなる日」

老後資金の不安というと、多くの人は「お金が足りなくなること」を想像します。

しかし最近は違います。

お金はあるのに、自分でアクセスできないという問題が現実になりつつあります。

私の知人にも、ネット証券にログインできなくなった人がいました。

パスワードを入力しても入れない。

SMS認証が届かない。

スマホを機種変更したら設定が消えた。

結局、証券会社へ電話して何時間もかけて復旧したそうです。

若い人なら簡単かもしれません。

しかし60代、70代になると話は別です。

最近の調査では、60代の多くがスマホを利用している一方で、新しい認証技術への理解にはまだ差があることが指摘されています。

つまり老後のお金の問題は、

「いくら持っているか」

ではなく

「そのお金を使える状態で管理できるか」

という新しい時代に入っているのです。

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パスワード管理ノートが通用しなくなる時代

昔は簡単でした。

銀行の暗証番号を手帳に書く。

ネット銀行のパスワードをメモする。

それで十分でした。

ところが現在は、

・スマホ認証

・ワンタイムパスワード

・顔認証

・指紋認証

・パスキー

などが増えています。

認証方法そのものが資産管理の一部になったのです。

私も最近、あるサイトへログインしようとして驚きました。

「パスワードを入力してください」

ではありません。

「スマホを確認してください」

だったのです。

パソコンの画面を見ながら、スマホを操作しなければなりません。

60代の私には、それだけで少し緊張しました。

これから80代、90代になったとき、本当に対応できるのだろうか。

そんな不安が頭をよぎりました。

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デジタル終活という新しい課題

昔の終活は、

・遺言書

・相続

・保険

・不動産

が中心でした。

しかし今は違います。

ネット証券

ネット銀行

電子マネー

サブスク契約

ポイント

暗号資産

こうしたデジタル資産が増えています。

ところが家族は存在すら知らないケースもあります。

実際に専門家の間でも、認証方法の変化によって家族が口座にアクセスできなくなる問題が指摘されています。

私たちの世代は、紙の通帳からスマホアプリまで全部経験してきました。

そのため、資産があちこちに散らばっている人も少なくありません。

これが将来、大きな問題になるかもしれません。

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私が始めた意外な対策

そこで私はあることを始めました。

それは投資の勉強ではありません。

配当株探しでもありません。

スマホの練習です。

朝の散歩から帰ったあと、

・銀行アプリを開く

・証券口座にログインする

・認証方法を確認する

・設定画面を見る

これを習慣にしました。

最初は面倒でした。

しかし慣れると不思議なものです。

若い頃、自動車の運転を覚えたときと似ています。

最初は怖い。

でも繰り返すうちに自然になる。

老後の資産管理も同じなのかもしれません。

最近のシニア世代はスマホ利用率が高く、ネット決済や情報検索も日常化しています。だからこそ「使っているつもり」ではなく「管理できる状態」にしておくことが重要だと感じます。

最後に待っていた、まさかの結末

さて、ここまで読んだ方は、

「結局はスマホを勉強しましょう」

という話だと思ったかもしれません。

ところが、私が最近一番驚いた出来事は別にありました。

ある日、同年代の友人と喫茶店で話していたときのことです。

彼は投資歴30年以上。

配当株もたくさん持っています。

資産額もかなりのものです。

私は心の中で、

「きっと老後は安心だろうな」

と思っていました。

ところが彼は突然こう言ったのです。

「実は資産額を正確に知らないんだよ」

私は耳を疑いました。

聞けば、

証券会社が4社

銀行が5行

ポイント口座が複数

電子マネーも数種類

さらにスマホ認証もバラバラ

本人ですら全体像が分からなくなっていたのです。

そして彼が続けて言った言葉に、私は衝撃を受けました。

「老後で一番怖いのは貧乏じゃない。自分の資産がどこにあるか分からなくなることだよ」

その瞬間、私は気づきました。

60代の資産形成で本当に重要なのは、

増やすことではなく、

把握することなのだと。

配当金よりも。

NISAよりも。

節約術よりも。

まず自分の資産の居場所を知ること。

これこそが令和時代の老後防衛なのかもしれません。

誰も語らないニッチなテーマですが、10年後には「そんなことも知らなかったのか」と言われる時代が来るかもしれません。

だから私は今日も、朝のコーヒーを飲みながらスマホを開き、自分の資産の居場所を確認しています。

老後の安心とは、案外そんな地味な作業の積み重ねなのかもしれません。


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