貯金が多い友人より穏やかな理由とは?老後の心配を軽くした意外な「できること資産」

お金の不安が少ない人と聞くと、皆さんはどのような人物を思い浮かべるでしょうか。
年金を毎月たくさん受け取っている人、退職金をほとんど使わずに残している人、株式の配当金だけで生活できる人、あるいは持ち家があり、住宅ローンも完済している人でしょうか。
もちろん、収入や資産が多ければ安心材料にはなります。しかし、これまで多くの人を見てきて感じるのは、預金残高と心配の大きさは、必ずしも反比例しないということです。
何千万円持っていても、「病気になったらどうしよう」「介護施設に入ることになったら足りない」「株価が暴落したら困る」と、毎日通帳や証券口座を確認している人がいます。
一方で、それほど多くの資産を持っているわけではないのに、穏やかに暮らしている人もいます。
2026年に行われたシニア世代へのアンケートでは、物価高やインフレへの不安が67.3%、老後の生活費が不足することへの漠然とした不安が65.3%に達していました。お金の心配は、一部の人だけが抱えている特殊な問題ではありません。多くの人にとって、ごく普通の感情なのです。
では、同じような物価高の中で暮らし、同じように年齢を重ねながらも、お金の不安が比較的少ない人には何があるのでしょうか。
今日は7月4日です。
暦の上では半夏生を迎えたばかりで、夏至から数えて十一日目ごろに当たります。昔は田植えを終える目安とされ、この時期には関西を中心にタコを食べる習慣もあります。稲の根がタコの足のように、しっかり大地に根づくことを願ったともいわれています。
老後のお金も、どこまで増やせるかだけではなく、今の生活にどれだけしっかり根を張れるかが大切なのかもしれません。
お金の不安が少ない人は「残高」より暮らしの復元力を持っている
毎月の収支を一円単位ではなく「三段階」で把握しています
お金の不安が少ない人の第一の共通点は、自分の生活費を大まかに把握していることです。
ここで大切なのは、家計簿を毎日つけていることではありません。
電気代が8,432円、スーパーでの買い物が3,218円だったと、一円単位まで記録している人でも、将来への不安が強いことがあります。記録することに疲れ、「今月も予定より使ってしまった」と自分を責めているからです。
不安が少ない人は、生活費を次の三段階に分けています。
一つ目は、普通に暮らすための金額です。
食費、光熱費、通信費、保険料、車の維持費、交際費などを含め、無理をしない通常の生活費です。
二つ目は、少し引き締めれば暮らせる金額です。
外食を月四回から二回に減らす、遠出を控える、衣類の購入を先送りするなど、生活の楽しみをすべて捨てずに調整できる金額です。
三つ目は、緊急時に最低限暮らせる金額です。
収入が一時的に減った場合や、大きな出費があった場合に、半年程度なら続けられる生活費です。
例えば、普段は月22万円で暮らしている夫婦が、「少し引き締めれば18万円」「緊急時なら15万円」と把握していれば、口座残高が少し減っても、すぐに老後破産を連想する必要はありません。
ところが、月22万円で暮らしていることしか分からない人は、収入が月20万円になっただけで、「毎月2万円の赤字だ。このままでは大変だ」と考えてしまいます。
年間24万円の不足ですから、確かに何らかの対策は必要です。しかし、交際費や車の使い方を少し見直せば解決するかもしれません。月に数日働くという選択肢もあります。
老後の家計は、毎月必ず黒字でなければ失敗というものではありません。収入と支出を年間単位で見て、一時的な赤字なのか、長く続く構造的な赤字なのかを区別することが重要です。All Aboutでも、退職後の家計は毎月だけでなく年間や長期の時間軸で把握することが勧められています。
私も以前は、スーパーで少し高い刺身を買っただけで、「こんなことをしていたら老後資金が減ってしまう」と考えることがありました。
しかし、よく計算してみると、月に一度1,000円ほど余計に使っても、年間では1万2,000円です。
それよりも、夕方の値引き時間ばかり気にして車で何度もスーパーへ行けば、ガソリン代もかかります。何より、一日の行動がお金だけに支配されてしまいます。
最近は、使わないことより、使った後に普段の生活へ戻れるかを大切にしています。
うなぎを食べた翌日は卵焼きでよいのです。旅行した翌月は近所を散歩すればよいのです。
お金の不安が少ない人は、決してぜいたくをしないのではありません。使った後に家計を元の状態へ戻す方法を知っているのです。
お金で解決する前に「代わりの方法」を二つ持っています
第二の共通点は、困ったことが起きたとき、お金以外の解決方法を持っていることです。
年齢を重ねると、「これから何が起きるか分からないから、お金はいくらあっても足りない」と考えやすくなります。
確かに、住宅の修繕、車の買い替え、医療、介護、冠婚葬祭など、まとまった支出が重なる可能性はあります。
しかし、将来起きることをすべて現金だけで解決しようとすれば、必要額には上限がなくなります。
家の屋根が傷んだら300万円、車が壊れたら250万円、夫婦で施設に入ったら数千万円、子どもが困ったら援助資金も必要だと考えていけば、5,000万円あっても安心できません。
お金の不安が少ない人は、問題が起きたときの「代わりの方法」を考えています。
車が古くなったら、次も新車を買うのではなく、中古車にする方法があります。車を二台所有している夫婦なら、一台に減らす方法もあります。地域によっては、タクシーと公共交通機関を組み合わせた方が、年間の維持費を抑えられることもあります。
家が広すぎて修繕費が重いなら、一部だけ直して暮らす方法もあります。子どもが独立した後なら、小さな住まいに移るという選択肢もあります。
収入が足りなければ、週五日働くか、完全に引退するかの二択ではありません。週に二日だけ働く、午前中だけ仕事をする、経験を生かして誰かの手伝いをするなど、中間の選択肢があります。
過去には「老後は一切働かない」という前提で必要資金が語られることが多くありました。しかし、月に数万円の収入があるだけでも、貯蓄の取り崩し速度は変わります。
ただし、ここで注意したいことがあります。
不安を減らすために働きすぎて、体を壊しては意味がありません。
2026年には、老後への過剰な不安からNISAへの積み立てを優先し、現在の食事や生活を切り詰めすぎる「NISA貧乏」という言葉も話題になりました。
投資は将来のために役立つものですが、今日の健康を壊してまで続けるものではありません。
私は朝起きると、まず湯を沸かしてお茶を飲みます。それから新聞やスマートフォンでニュースを確認し、天気がよければ庭先を掃きます。
こうした何でもない生活にも、実はお金以外の資産が含まれています。
自分で食事を作れること、近所を歩けること、簡単な修理ができること、困ったときに相談できる相手がいることです。
料理ができれば、外食に頼りきらずに済みます。健康を保てれば、移動や買い物を自分で行えます。地域との付き合いがあれば、災害や病気のときに孤立しにくくなります。
数百円の交通費や習い事の月謝は、単なる浪費ではなく、社会とのつながりや心身の健康を守るための維持費とも考えられます。
貯金が多くても、何もできず、誰にも頼れず、生活上の小さな問題をすべて有料サービスで解決する必要があれば、お金は早く減ります。
反対に、多少のことは自分で行い、必要なときには周囲に助けを求められる人は、同じ貯金額でも安心して暮らせます。
つまり、お金の不安を減らすのは、預金だけではありません。
生活を立て直す力そのものが、目に見えない老後資産になるのです。
私が一番安心している友人の通帳を見て驚いたこと
私には、お金のことでほとんど愚痴を言わない同年代の知人がいます。
仮にAさんとしておきます。
Aさんは会社員を定年まで勤めましたが、特別に高給だったわけではありません。古い一戸建てに住み、車も十年以上同じものに乗っています。
それでも、いつ会っても穏やかです。
喫茶店でコーヒーを飲むときも、「ここは20円値上がりした」とは言いますが、深刻な顔はしません。
私は長い間、Aさんには相当な貯金があるのだと思っていました。
株式投資で成功したのかもしれない。親から不動産を相続したのかもしれない。退職金を丸ごと定期預金に入れているのかもしれない。
ある夏の日、Aさんの家で網戸を張り替えるのを手伝ったことがあります。
作業を終え、冷たい麦茶を飲んでいると、Aさんが一冊の古い大学ノートを持ってきました。
「これがあるから、俺はあまり心配しないんだ」
私はてっきり、株式の銘柄や資産配分を書いた投資ノートだと思いました。
ところが、開いてみると違いました。
最初のページには、毎月の年金額と生活費が大まかに書かれていました。
次のページには、「車を手放した場合」「妻が入院した場合」「自分が働けなくなった場合」「屋根を修理する場合」など、困り事が起きたときの対応策が書かれていました。
さらにページをめくると、友人、兄弟、近所の人、元同僚、かかりつけ医などの名前と電話番号が並んでいました。
誰に何を相談できるのかまで書いてあります。
車のことなら元整備士の友人。
家の修理なら大工をしていた同級生。
役所の手続きなら市役所を退職した知人。
病院の付き添いなら近所に住む妹。
Aさんは言いました。
「金が足りなくなったら困る。でも、困ったときにどうするかが分からない方が、もっと怖いだろう」
私はその言葉を聞いて、思わず通帳の残高を尋ねてしまいました。
失礼な質問だったと思います。
Aさんは笑いながら、おおよその金額を教えてくれました。
驚いたことに、私が想像していた金額の半分以下でした。
もちろん、明日の生活に困るほど少ないわけではありません。しかし、雑誌に登場する「安心できる老後資金」の金額には届いていませんでした。
それでもAさんは、私より落ち着いていました。
後日、私は自分の通帳を眺めながら、その理由を考えました。
私は預金残高を増やすことばかり考え、困ったときの行動を決めていませんでした。
車が壊れたら不安。
病気になったら不安。
株価が下がったら不安。
家を修理することになったら不安。
すべての不安を「もっとお金があれば」という言葉で片づけていたのです。
Aさんは違いました。
車が壊れたら、まず修理費を聞く。高ければ中古車を探す。それでも負担なら手放す。
病気になったら、妹に連絡し、必要な書類を確認する。
家の修理は、全面改修ではなく、危険な場所から直す。
株価が下がったら、生活費として必要な現金には手を付けない。
一つひとつの不安に、具体的な出口が用意されていました。
お金の不安が少ない人の共通点は、大金を持っていることではありません。
「何が起きても絶対に大丈夫」と信じていることでもありません。
困ったときに、生活を小さくしたり、方法を変えたり、人に頼ったりして、再び立ち上がれると知っていることです。
老後不安について考えるとき、「いくらあれば不安がなくなるのか」という質問には、はっきりした答えがないとも指摘されています。十分な資産を持っていても、次々に新しい心配を探してしまう人がいるからです。
私たちは、老後資金を増やすことには熱心です。
けれども、困ったときに連絡できる人を増やすこと、簡単な料理を覚えること、体力を保つこと、小さく働ける場所を探すこと、今の家を維持できなくなった場合の住まいを考えることには、あまり時間を使いません。
本当は、こちらも立派な資産形成なのです。
七夕が近づき、商店街や公共施設で短冊を見かける季節になりました。
「健康でいられますように」
「家族が幸せでありますように」
願い事の中に、「貯金が減りませんように」と書く人もいるかもしれません。
しかし、お金は暮らしている限り、少しずつ使うものです。
減らさないことだけを願うより、減っても暮らしを立て直せる自分でいる方が、心は落ち着きます。
Aさんの古い大学ノートには、最後に一行だけ、少し大きな文字でこう書かれていました。
「金で困ったら金を数えるな。できることを数えろ」
私はその言葉を見て、てっきりAさんが考えた名言だと思いました。
ところが尋ねると、Aさんは笑って言いました。
「いや、昨日思いついて書いた。まだ一度も実行したことはない」
あれほど落ち着いて見えたAさんも、何も怖くないわけではなかったのです。
不安になるたびにノートを開き、自分にできることを確認していただけでした。
お金の不安が少ない人とは、不安を感じない特別な人ではありません。
不安が出てきたときに、通帳だけを見ない人なのです。
貯金額や年金額は、すぐには変えられません。
それでも、困ったときの選択肢は、今日から一つずつ増やせます。
半夏生の稲が地中へ根を伸ばすように、私たちも、預金残高とは別の場所に小さな根を張っておきたいものです。
その根が、家事をする力であったり、健康を守る習慣であったり、人とのつながりであったりします。
もしかすると老後の安心とは、銀行に置いてある金額ではなく、「まだ自分には打つ手がある」と思える感覚なのかもしれません。
◆>>8年連続WEB売上No.1 ウルトラ育毛剤 無添加無香料、医薬部外品 の育毛剤「チャップアップ(CHAPUP)」【参考にしたサイト】
・All About「60代の平均貯金額と老後のリアル支出、備えは足りている?」
・All About「老後の家計は年間で管理しよう」
・All About「老後の孤独は節約し過ぎが原因? 数百円の出費が『やることがない』を救う」
・毎日が発見ネット「『老後、生きていける?』60代の本音が切実すぎる…! みんなが抱える『お金の不安』ぶっちゃけ調査」
・毎日が発見ネット「老後への不安の大半は『お金』。精神科医が教える、おひとり老後の心構え」
・PRESIDENT Online「大不安“老後の蓄え0円”でも食っていく術」
・日刊ゲンダイDIGITAL「老後不安は9割が幻想? 過剰な投資してまで『NISA貧乏』になる必要はなし」



