梅干しだけで夕飯を済ませる前に、冷凍弁当が一人暮らし男性のもしもの備えになった話

温かなキッチンでの食事準備
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冷凍庫の空き容量は、老後の「見えない資産」になる――ワタミの宅食ダイレクトを食費ではなく生活防衛で考える

温かい食卓と笑顔のおじいさん

一食の値段より先に、「台所に立てない日」の損失を考える

七月十二日。二十四節気では「小暑」を迎え、本格的な夏の入口に入っています。朝からセミの声が聞こえ、庭の草も遠慮なく伸びる季節です。

若い頃は、暑い日でも仕事帰りにスーパーへ寄り、肉や魚、野菜を買って帰ることができました。多少疲れていても、台所に立って簡単な炒め物くらいは作れたものです。

しかし、年齢を重ねると、夏の買い物は思った以上に体へこたえます。

駐車場から店内まで歩き、冷房の効いた売り場を回り、重たい買い物袋を持って帰るだけで、夕食を作る気力がなくなる日があります。特に一人暮らしの男性は、「自分一人のために、そこまで頑張らなくてもいいか」と考えがちです。

その結果、夕食がそうめんだけになったり、菓子パンと缶コーヒーで済ませたり、コンビニで弁当と揚げ物を余分に買ったりします。

私も以前は、宅配の冷凍惣菜に対して、少し後ろめたい気持ちがありました。

「料理をしなくなったら、いよいよ年寄りだ」

「冷凍のおかずにお金を払うくらいなら、自分で作ったほうが安い」

そのように考えていたのです。

ところが、老後のお金を長く考えているうちに、別の見方をするようになりました。

老後に怖いのは、一食五百円や六百円を使うことではありません。疲れた日に判断が面倒になり、予定外の外食や買い物を繰り返すことです。

例えば、夕方になって料理をする気がなくなり、車で飲食店へ出かけたとします。

定食が千円前後、食後のコーヒーをつければさらに数百円です。帰りにスーパーへ寄り、「明日の朝に食べよう」とパンや総菜を買えば、合計二千円近くになることもあります。

一回だけなら大きな問題ではありません。しかし、これが週に二回続くと、月に一万六千円ほどになります。

しかも、外食へ行くためのガソリン代や、ついで買いまで含めれば、実際の負担はさらに増えます。

ワタミの宅食ダイレクトは、冷凍のおかずをまとめて受け取り、食べるときに電子レンジで温めるサービスです。公式サイトでは、二菜、三菜、五菜など生活に合わせた商品が用意され、塩分やカロリーに配慮したメニューも案内されています。定期購入には、都度購入から一定割合が割り引かれる仕組みもあります。価格や割引条件は変わる可能性があるため、注文時には公式サイトで最新情報を確認することが大切です。

ここで私が注目したのは、豪華さではありません。

「夕方の自分に、余計なお金を使わせない仕組み」になることです。

元気な午前中の自分は、節約も健康も考えられます。ところが、暑さで疲れた午後六時の自分は、かなり別人です。

「今日はもういいだろう」

「一日くらい好きなものを食べても問題ない」

この言葉が三日続けば、それは一日だけの話ではありません。

冷凍庫に温めるだけのおかずがあれば、疲れた自分に難しい判断をさせずに済みます。ご飯とみそ汁を用意するだけなら、外食へ向かうよりも早く食事が整います。

宅食は、食事を届けてもらうサービスだと思われています。

しかし実際には、疲れた時間帯に起きやすい「家計の暴走」を止める、小さな生活防衛策でもあるのです。

老後の食費を守る鍵は、宅食の値段ではなく冷凍庫の使い方にある

ワタミの宅食ダイレクトを利用するとき、私が最初に確認したいのは、味でも献立でもありません。

冷凍庫の空き容量です。

これは意外に重要です。

冷凍のおかずをまとめて注文しても、冷凍庫に入らなければ意味がありません。無理に詰め込むと、どこに何があるのか分からなくなり、奥に入れた商品を忘れてしまいます。

老後の宅食で起きやすい失敗は、料金が高いことよりも、「買ったのに食べ切れないこと」です。

私たちの世代には、冷凍庫を食品でいっぱいにしておくと安心する人が少なくありません。

安売りの肉、いつ買ったか分からない魚、半分だけ使った冷凍野菜、保冷剤、正月に残った餅などが、長い間眠っています。

冷凍庫がいっぱいであることと、食生活が豊かであることは別です。

大切なのは、今週食べるものが分かる状態にしておくことです。

私は、冷凍庫の一段を「体調が悪い日の備え」として空けておく考え方がよいと思っています。

地震や台風への備蓄は多くの人が意識します。しかし、一人暮らしの男性にとって、もっと頻繁に起こるのは、風邪でも災害でもない「何となく動きたくない日」です。

腰が重い日、雨で買い物へ行きたくない日、歯の調子が悪い日、病院へ行って疲れた日、真夏の草刈りで体力を使い切った日があります。

こうした日は、年に一度ではありません。

毎月のようにやってきます。

冷凍庫に数食分のおかずがあれば、その日は無理をせずに済みます。宅食を毎日食べる必要はありません。週に二回、あるいは「買い物へ行かなかった日だけ」と決めてもよいのです。

毎日利用すると費用が気になる人でも、週二回なら続けやすくなります。

例えば、宅食を一食六百円前後として週二回利用すれば、一か月でおよそ八食です。商品代だけなら五千円前後が一つの目安になりますが、実際にはセット内容や送料によって変わります。

送料については、過去に物流費や資材費の上昇を理由とした改定も発表されています。表示された一食単価だけでなく、「商品代+送料を食数で割った金額」で考える必要があります。

ここで、少し細かい計算をしてみます。

仮に商品代と送料を含め、一食あたりの実質負担が七百円になったとします。

週二回で月八食なら、月五千六百円です。

これを高いと感じる人もいるでしょう。

しかし、その八回のうち四回でも、一回千五百円の外食や総菜の買い過ぎを防げたなら、それだけで六千円です。

つまり、宅食を利用したから食費が増えたのではなく、「宅食がなかった場合に使っていたお金」と比較しなければ、本当の損得は分かりません。

老後の家計では、最安値を探すことばかりに目が向きます。

けれども、安い食材を買って腐らせれば、節約にはなりません。三百円の野菜を捨て、五百円の肉を冷蔵庫の奥で傷ませ、結局は外食へ行けば、安く買った意味がなくなります。

一人分の料理は、材料をうまく使い切るのが難しいものです。

キャベツを一玉買えば、何日もキャベツ料理が続きます。刺身を食べたいと思っても、一人分は割高です。煮物を作れば、三日続けて同じものを食べることになります。

毎日発見ネットでは、高齢になってから宅配弁当や作り置きを取り入れ、食べたものを記録して、同じ食事が重ならないよう工夫する例が紹介されています。宅食を利用することよりも、「何を食べたか分からなくなること」を避ける視点が参考になります。

私も冷蔵庫の扉に小さな紙を貼り、「魚」「肉」「豆腐」「宅食」と食べたものを書いておく方法がよいと思います。

難しい栄養計算は必要ありません。

昨日が肉なら今日は魚、昼が麺なら夜はご飯という程度で十分です。

宅食は、それだけですべての栄養を満たす魔法の食事ではありません。ご飯、汁物、牛乳、果物などを体調や食事量に合わせて加える必要があります。

持病があり、塩分、たんぱく質、糖質などに制限がある人は、商品表示を確認し、必要に応じて医師や管理栄養士へ相談することも大切です。

一方で、何も食べない、菓子パンだけで済ませる、毎晩同じ総菜を買う生活と比べれば、献立を考えるきっかけにはなります。

宅食の価値は、一食の中だけにあるのではありません。

一週間の食事を乱れにくくすることにあるのです。

私が宅食を注文した本当の理由は、自分の健康ではありませんでした

六月の終わり、近所に住む同年代の知人が、体調を崩しました。

大きな病気ではありませんでしたが、数日間、買い物へ行くのが難しくなったそうです。

奥さんを数年前に亡くし、現在は一人暮らしです。

私は「何か食べるものはあるのですか」と尋ねました。

すると彼は笑いながら、「米はある。あとは梅干しで何とかなる」と答えました。

昔の男性なら、それで数日を乗り切ったという話も珍しくありません。

しかし、その言葉を聞いたとき、私は少し怖くなりました。

米と梅干しがあることは、食料があるという意味ではあります。けれども、体調を崩した人が、それだけで何日も過ごすのは心配です。

私はスーパーで総菜を買って届けようと思いました。

ところが、彼は遠慮しました。

「そこまでしてもらうのは悪い」

「明日には動ける」

男性同士は、こういうときに素直に頼るのが苦手です。

家族なら「これを食べなさい」と冷蔵庫へ入れられますが、友人には距離があります。毎日訪ねれば、見張られているように感じるかもしれません。

そこで私は、自分の家の冷凍庫に宅食を置いておくことにしました。

自分が食べるためだと思って注文したのですが、心のどこかに、「誰かが困ったときに渡せる」という考えがあったのです。

冷凍のおかずなら、その日に食べなくても構いません。相手の都合がよいときに温められます。手料理のように、容器を返す必要もありません。

後日、私は彼に二食分を持っていきました。

「注文し過ぎて冷凍庫に入らないから、助けてください」

そう言うと、彼は受け取ってくれました。

翌日、「魚のやつ、思ったよりうまかった」と電話がありました。

私は、その言葉を聞いて安心しました。

ここまでなら、少し心温まる話で終わります。

ところが、話には続きがあります。

一週間ほどして、今度は私が夏風邪をひきました。

熱は高くありませんでしたが、体が重く、買い物へ行く気になれません。冷蔵庫には卵が一個と、しなびたキュウリしかありませんでした。

冷凍庫を開けると、宅食は一つも残っていませんでした。

元気なうちに知人へ渡し、自分でも食べてしまっていたのです。

「人の心配をして、自分の分を残していなかったか」

思わず笑ってしまいました。

その日の夕方、玄関のチャイムが鳴りました。

扉を開けると、例の知人が立っていました。

手には、スーパーの袋を下げています。

中には豆腐、バナナ、ヨーグルト、スポーツ飲料、そして彼が自分で注文した冷凍のおかずが入っていました。

彼は、私から受け取った宅食を食べたあと、自分でも注文していたのです。

「注文し過ぎて、冷凍庫に入らん。今度はそっちが助けてくれ」

私が使った言葉を、そのまま返されました。

私はてっきり、宅食は一人暮らしの老後を便利にする商品だと思っていました。

しかし、本当に変わったのは食生活ではありませんでした。

「助けてくれ」と言えなかった二人の男性が、冷凍のおかずを間に置くことで、助けたり、助けられたりできるようになったのです。

老後に必要なのは、十分な貯金だけではありません。

困ったときに声をかけられる人と、相手が遠慮せず受け取れる小さな理由です。

宅食は、料理をしない人のためだけにあるのではありません。

自炊を続けるために休む日をつくり、外食の増加を防ぎ、体調の悪い日を乗り切り、ときには近所の人との関係までつないでくれます。

私は現在、冷凍庫の一段を全部埋めないようにしています。

必ず二食分の空間を残します。

一食は、明日の自分のためです。

もう一食は、誰かが困ったときのためです。

七月の強い日差しの中で、無理をして買い物へ出かける必要はありません。今日は元気でも、明日の体調は分かりません。

冷凍庫の空きは、何も入っていない無駄な空間ではありません。

そこは、体力と家計、そして人とのつながりを守るための、小さな「老後資産」なのです。

【参考にしたサイト】

・ワタミの宅食ダイレクト公式サイト
・ワタミの宅食ダイレクト「送料改定のお知らせ」
・毎日が発見ネット「調理定年を提唱する91歳評論家の食生活」
・毎日が発見ネット「離れて住む両親と宅配弁当」に関する記事
・PRESIDENT Online「年金生活と食費」に関する記事

※商品価格、送料、割引率、コース内容などは変更されることがあります。利用前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

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