「最低限で生活できない?」60代が考える税金と手取りのリアル

馬
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最低賃金に税金がかかるのはおかしい?60代の視点から考える

最近、新聞を読んでいて「最低賃金の引き上げ」という記事を目にした。

毎年のように少しずつ上がっているとはいえ、実際に生活している人たちにとって、それが本当に十分なのかどうか、疑問に思うことが多い。特に、最低賃金で働いている人から税金が引かれるというのは、どうにも納得がいかない。

60代の私も、現役時代に賃金の計算を何度もしてきたが、手取りと額面の差にはいつも驚かされた。ましてや、現代は物価も上がり、年金の受給開始年齢も引き上げられ、老後の生活設計も変わってきている。そんな中で、最低賃金が本当に生活を保障できるものなのか、今回は考えてみたい。

1. 最低賃金の本来の意味とは?

最低賃金とは、国が定めた「この額以下では働かせてはいけません」という基準のことだ。日本では、都道府県ごとに決められていて、たとえば東京都なら2024年現在で時給1,113円。地方では1,000円を下回るところもある。

そもそも最低賃金は、「働く人が最低限の生活を送るため」に設定されている。しかし、ここで考えてほしい。「最低限の生活」とは、税金や社会保険料を引かれる前の額なのか、それとも手取り額なのか?

最低賃金が決められるとき、多くの場合、税金や社会保険料が差し引かれた後の生活を考慮していない。これは、私たちが現役時代に給与明細を見て、「こんなに引かれるのか!」と驚いたあの感覚と同じだ。

2. 最低賃金で本当に暮らせるのか?

実際に、最低賃金で生活している人たちの状況を考えてみよう。たとえば、時給1,113円でフルタイム(月160時間)働いた場合、

1,113円 × 160時間 = 178,080円(額面)

ここから、所得税や住民税、社会保険料を引かれると、手取りは14万円前後になることが多い。そこから家賃、食費、光熱費、通信費などを払ったら、一体どれだけ残るだろうか?

特に、物価が上がり続ける今の時代、スーパーに行くたびに「また値上げか…」とため息が出る。こうした現状で、最低賃金が本当に「最低限の生活」を保障しているのか、疑問に思うのは当然だ。

3. 税金を取るなら最低賃金を上げるべき?

私が思うに、もし最低賃金から税金を取るのであれば、その分を上乗せしてもらわなければおかしい。これはシンプルな話で、「生活できるだけの賃金を保証する」と言いながら、そこから税金を差し引くのは矛盾している。

一つの解決策として、「最低賃金の設定基準を手取り額にする」という考え方がある。つまり、

  • 手取り額で「最低限の生活ができる」水準を決める
  • そこに税金や社会保険料を加えた額を最低賃金とする

こうすれば、実際に生活できるだけの収入が保証される。実際、ヨーロッパの一部では「生活賃金(リビングウェージ)」の考え方を取り入れている国もある。

4. 60代の視点から見る「お金の価値の変化」

私たちが若い頃と比べると、お金の価値は大きく変わった。例えば、私が20代の頃は、ラーメン一杯300円、牛丼が250円なんて時代だった。それが今や、普通のラーメンでも800円以上することが当たり前。

最低賃金も上がっているとはいえ、物価の上昇率に追いついていないのが現実だ。お金の価値が変わっているのに、賃金の決め方が昔のままでは、働く人たちは苦しくなる一方だ。

5. 具体的に何が変わればいいのか?

最低賃金の問題を解決するには、以下のような対策が必要だと思う。

  1. 最低賃金の決定基準を手取り額ベースにする
  2. 税金や社会保険料の控除を見直す(特に低所得者層への配慮)
  3. 物価とのバランスを考えた最低賃金の設定

また、政府や自治体が生活支援策を充実させることも重要だ。例えば、シニア向けの医療費軽減制度や、住宅支援などがあれば、若い世代だけでなく、私たち60代にとっても助かる。

6. 日常の小さな気づき:コンビニのレジで考えたこと

先日、コンビニでお弁当と飲み物を買ったとき、ふと「たったこれだけで1,000円超えか…」と思った。昔なら、千円あればちょっとした定食屋でしっかり食べられたものだ。

そのとき、後ろに並んでいた若いアルバイト風の男性が、小銭を数えながら支払いをしていた。その手元を見て、「この子も、最低賃金で働いているのかもしれないな」と思い、胸が少し痛んだ。

お金の価値は変わる。しかし、最低賃金の決め方は、その変化に追いついているだろうか?

7. まとめ:これからの最低賃金を考える

最低賃金は、ただ「決められた数字」ではなく、そこで働く人の生活そのものを左右するものだ。60代の私たちも、現役時代に培った知識や経験を活かし、こうした問題に関心を持ち続けることが大切だと思う。

もし、この記事を読んで「そうだな」と思ったら、ぜひ周りの人と話してみてほしい。社会の仕組みを少しでも良くするためには、一人ひとりの気づきと声が大切なのだから。

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