60代が共感!昔ながらの温もりを感じる仕事の価値と魅力

老年夫婦
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定年前から人の力でなければできない仕事を考えていた…

のんびりする男性

日々の暮らしの中で、ふとした瞬間に考えることがある。定年を迎えた今、仕事を離れた時間が増えた。だが、仕事をしていたころから、ずっと思っていたことがある。それは、**「人の手でしかできない仕事」**についてだ。

機械やAIが進化する現代においても、人間にしかできない仕事がある。そのことを実感するたびに、私は思わず胸が熱くなる。今回は、私が日々の生活で気づいた、「人の力でなければできない仕事」について書いてみたい。

目次

人の温もりを感じる仕事の大切さ

最近、セルフレジや無人店舗が増えてきた。便利だが、どこか味気ない。それでも、レジで「ありがとうございました」と声をかけてもらうと、心がほっとするのはなぜだろうか。

1. 人と人との会話が生む安心感

スーパーのレジで、パートの女性が「今日も寒いですね」と話しかけてくれた。たったそれだけの一言なのに、気持ちが和らぐ。機械は効率的だが、心のこもった会話は人間にしかできない。

その言葉に「本当に寒いですね。昨日よりもぐっと冷えましたね」と返すと、パートの女性が「ええ、今朝は霜が降りていましたよ。もうすっかり冬ですね」と微笑んだ。たったそれだけのやり取りでも、まるで会話の中に温かさが灯ったような気がする。

昔は、近所の八百屋さんや魚屋さんで、世間話をしながら買い物をするのが当たり前だった。八百屋の親父さんが「今日は大根が甘いぞ!」と教えてくれたり、魚屋のおばちゃんが「この鮭、今朝入ったばかりで脂が乗ってるよ」と勧めてくれたりしたものだ。

そうしたやり取りの中で、店の人の顔も覚え、お客同士の会話も自然に生まれた。今日はこの人が何を買っているのか、何を作る予定なのか、そんな何気ない交流が日常の中に溶け込んでいた。あの頃の温かさは、やはり人がいるからこそ生まれるものだったのだろう。

便利になった現代では、会話をしなくても買い物ができる。だが、こうした小さな会話の積み重ねが、暮らしを豊かにしていたのではないか。何気ない一言が、人の心をほんの少しでも温めることができる。それこそが、人の手でしか生み出せない「温かさ」なのかもしれない。

2. 介護の現場で実感する「人の手のぬくもり」

友人が介護施設で働いている。彼が言うには、「機械は便利だけれど、お年寄りが安心するのはやっぱり人の手」だそうだ。

例えば、車椅子を押すときに、ただ押すのではなく「大丈夫ですか?」と声をかける。それだけで、利用者さんの表情が変わるという。AIロボットがどれだけ進化しても、こうした心の触れ合いは、人間だからこそできることだ。

3. 職人の技術は、機械では再現できない

最近、テレビで伝統工芸の職人を特集していた。手作業で仕上げる漆器や和紙、繊細な刺繍。機械が真似できない、人間の「感覚」がそこにはある。

特に驚いたのは、指先の微妙な力加減や、経験から生まれる直感的な判断。これは数値化できるものではないし、一朝一夕で身につくものでもない。人が積み重ねてきた技術には、特別な価値がある。

4. 人が「話を聞く」ということの尊さ

ある日、近所の喫茶店でコーヒーを飲んでいた。隣の席では、常連らしきおじいさんが、マスターと楽しそうに話している。

「今日は孫が遊びに来るんだよ」と、嬉しそうに語るおじいさん。その話をじっくりと聞いているマスター。おじいさんは続ける。「この前、孫が折り紙を教えてくれたんだよ。もう手先が不器用になっちゃってね、でも一緒にやるのが楽しくてさ。」

マスターは「いいですねぇ、孫さんと過ごす時間って格別ですよね」と頷く。おじいさんの顔がほころぶ。「そうなんだ。あの小さな手で折った鶴、今も大事に飾ってあるんだよ。」

会話が続くうちに、おじいさんの表情はどんどん柔らかくなっていく。たとえ短い会話でも、人に話を聞いてもらうということは、それだけで救いになるのだろう。 それは、言葉を交わすことで生まれる安心感、理解してもらえる喜び、そして思い出を語ることで再び感じる幸せがあるからなのかもしれない。

5. 子どもたちの成長を支える先生たち

学校の先生も、人間だからこそできる仕事の代表格だ。子どもたちの表情を読み取って、「この子は今、悩んでいるな」と気づくこと。機械にはできない。

私が子どものころ、成績が伸び悩んでいたとき、担任の先生が「大丈夫だよ、君ならできる」と励ましてくれた。その言葉がどれほど心強かったか。先生の言葉は、時に人生を変える力を持つ。

6. 大切な人を看取るという仕事

病院や在宅医療の現場で、最期を迎える人に寄り添う仕事がある。機械がいくら発達しても、「手を握ること」「寄り添うこと」「温かい言葉をかけること」は、人間にしかできない。

家族を看取ったとき、看護師さんが「よく頑張りましたね」と声をかけてくれた。その言葉が、どれだけ救いになったことか。その後、病室を出たとき、別の患者さんに付き添っていた介護士さんが、ご家族に寄り添いながら「安心してくださいね」と穏やかに話していた。その姿を見て、涙があふれた。

また、葬儀の場面でも同じように感じた。お別れのとき、僧侶の静かな語りかけや、葬儀スタッフの丁寧な配慮が、残された者の心を少しずつ癒してくれた。彼らの言葉は決して華やかではないが、その温もりが心に深く染み渡る。

最期の瞬間は、悲しみだけではない。大切な人と過ごす最後のひとときを、どう受け止め、どう見送るか。それには、人の手による支えが不可欠だと痛感する。人のぬくもりは、最期の瞬間まで必要なのだ。

7. 飲食店の接客にある「おもてなしの心」

先日、昔ながらの定食屋に入った。女将さんが「いらっしゃい」と迎えてくれ、食べ終わると「また来てね」と笑顔で送り出してくれた。

機械化が進んでも、こうした温かさは失われてほしくない。食事を運ぶだけでなく、その場の空気を作るのは「人の力」なのだ。

8. 町の本屋さんで見つける、人のぬくもり

最近はネット通販で本を買うことが増えたが、町の本屋さんには独特の温かさがある。本を手に取ると、店主が「この本、面白いですよ」と勧めてくれる。

その一言で、新しい本との出会いが生まれることもある。機械は便利だが、こうした「偶然の出会い」は、人間だからこそ生み出せるものだ。

これからの時代に求められる「人の力」

ピアノをする男性

定年後の生活を送る中で、私は改めて「人の手でしかできない仕事」の大切さを実感している。これから先、社会がどれだけ進化しても、人のぬくもりは決してなくならない。

特に、人が関わることで生まれる「温かさ」や「思いやり」の価値は、どんな時代になっても変わらないと感じる。AIやロボットが便利な時代になっても、最後に頼りになるのはやはり人の心だ。たとえば、困ったときにそっと寄り添ってくれる看護師や、子どもを見守る先生、心のこもった一言をかけてくれる店員の存在は、社会をより豊かにしている。

私自身、これまでの経験の中で、人の支えがどれほど大きな意味を持つかを何度も実感してきた。誰かが手を差し伸べてくれたおかげで救われたこともあったし、逆に自分が少しの気遣いをすることで、誰かの一日が明るくなったこともある。そうした積み重ねが、社会全体の温かさを生み出しているのではないだろうか。

これからも、私は「人ができること」「人だからこそできること」に目を向けて、日々の暮らしを大切にしながら、周りの人たちと支え合い、生きていきたいと思う。そして、この気持ちを次の世代にも伝えていけるように、日々の暮らしの中で大切なことを見失わないようにしていきたい。

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