小さな盆栽の世界へようこそ 〜60代から始める癒しの趣味〜

こんにちは。60代の主婦であり、少しだけ時間に余裕ができた「私」です。夫も定年を迎え、毎日の家事に追われる日々から少しだけ解放され、自分の時間を見つめ直すようになりました。
今日は、ここ数年で私の暮らしに穏やかな喜びをもたらしてくれている“小さな盆栽”について、植えつけの方法を中心にお話ししたいと思います。
盆栽というと「難しそう」「敷居が高い」「年配の男性の趣味」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。でも実は、小さな盆栽は女性にもぴったりの癒しの趣味なんですよ。
それでは、60代の私が日々楽しんでいるミニ盆栽の世界をご紹介してまいります。
植えつけの前に準備したいもの
小さな鉢と鉢底ネット
鉢は直径7〜10cm程度の小さなものを。手のひらに乗るサイズが扱いやすくおすすめです。底には必ず鉢底ネットを敷いておきましょう。これは、根腐れを防ぐための大切な一手間です。
赤玉土とけと土のミックス
私が愛用しているのは、赤玉土(小粒)7:けと土3の割合で混ぜた用土です。赤玉土だけでも問題ありませんが、けと土を加えることで苗がより根付きやすくなります。
苗木や挿し木素材
ホームセンターや園芸店で「ミニ盆栽用苗木」として販売されているものが便利です。初心者には**モミジ・黒松・長寿梅(ちょうじゅばい)**などが育てやすくおすすめです。
初めての植えつけ作業 〜穏やかな春の午後に〜
小さな鉢に宿る自然の風景
初めての植えつけは、桜が咲き始めた3月の終わりのことでした。静かな午後、庭で作業を始めると、ふわっと春の風が頬をなで、遠くで鳥のさえずりが聞こえてきました。
**その静けさの中で、土の匂いがふっと蘇った瞬間、「あぁ、私はこういう時間を待っていたんだな」としみじみ感じました。**風に揺れる草花の音も、どこか懐かしく心に響きました。
苗木をやさしく扱う大切さ
苗木をポットからそっと取り出すと、思いのほかしっかりと根が張っていました。少し緊張しながらも、根をやさしくほぐし、古い土を取り除いていきます。
植物にも「旅立ちの支度」があるのだと、その時ふと思いました。こうして整えることで、新しい鉢に自然と馴染んでいきます。
鉢への配置と土入れの工夫
鉢の底にネットと少量の土を敷き、苗をどの方向から見たら美しく映るかを考えて位置を決めます。
その後、土をゆっくりと周囲に足しながら、割り箸などでトントンと隙間を埋めていきます。この作業中は自然と呼吸が深くなり、心が穏やかになっていくのが分かります。
植えつけ後のお手入れ
植え終えたら、**底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。**その後、風通しの良い日陰に2〜3日ほど置いて様子を見ましょう。根が落ち着いたら、日当たりの良い場所に移動しても大丈夫です。
毎日の変化に寄り添う暮らし

芽が出た朝の感動
初めて自分で植えたモミジが、小さな赤い芽を出した朝。思わずスマートフォンで写真を撮って、娘に送りました。
「母さん、こんなに可愛い趣味してたの?」と笑われつつも、小さな命の変化に気づける自分に、少し誇らしさを感じた瞬間でした。
季節の移ろいを盆栽と共に感じる
春には芽吹き、夏は葉が広がり、秋には紅葉し、冬は静かに眠る――そんな姿に、「季節とともに生きる」感覚を教えられています。
若い頃は目の前のことで精一杯でしたが、盆栽と暮らすことで季節の変化をゆっくり味わう楽しみが増えました。
おすすめの道具たち(表形式)
道具名 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
ピンセット | 細かい枝の手入れや雑草取りに便利 | 細部の調整がしやすい |
ミニ熊手 | 表土をならしたり落ち葉を集めるのに便利 | 軽くて扱いやすく、鉢を傷めにくい |
霧吹き | 葉水や湿度調整に使用 | 見た目の美しさと潤いを保てる |
霧吹きで葉に水をかけた瞬間、光に反射してキラキラと輝く様子は、まるで朝露のようで心が洗われる気がします。
園芸サークルでの交流
最近では、近所の公民館で開かれている「園芸サークル」にも参加しています。同年代の方々と情報交換をしたり、作品を見せ合ったりする時間はとても刺激的で楽しいものです。
初めて参加した日、隣に座った方が10年来の盆栽ファンで、「土の乾き具合を肌で感じるようになったら一人前よ」と笑って話してくれました。その言葉が妙に心に残っていて、今でも水やりのたびにふと思い出します。
誰かと一緒に土いじりをする時間は、孤独になりがちな私たち世代の心をほぐしてくれる貴重な時間でもあります。
小さな盆栽が教えてくれた大切なこと

盆栽を始めてから、「ゆっくりでいい」「今を味わおう」という気持ちが少しずつ芽生えてきました。
60代は、新しいことを始めるのにちょうどいい年齢です。 若い頃には気づかなかった「心が落ち着く時間」の大切さに、ようやく向き合えるようになりました。
この記事を読んでくださったあなたも、どうか肩の力を抜いて、小さな植物と向き合う時間を楽しんでみてください。
土の香りと緑の力が、きっと心を豊かにしてくれますよ。
あなたにとって、心が穏やかになる時間はどんな時ですか?ぜひ、そんなひとときを見つけてみてくださいね。