「考える子に育つ家」の秘密〜60代が気づいた親の心得〜

おじいさんと孫
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目次

「自分で考えて学ぶ子」の親がしている行動とは?60代の私が見た現代の子育て事情

1. はじめに:孫を見て思ったこと

先日、久しぶりに孫と公園へ出かけたときのこと。砂場で一生懸命に山を作っていた彼が、「おじいちゃん、トンネルってどう作るの?」と聞いてきました。昔の私なら、すぐに教えてあげていたかもしれません。でも、そのとき私は「どうやったらできると思う?」と聞き返してみたのです。

実は、最近読んだ子育て本に「子どもが自分で考える機会を奪ってはいけない」と書かれていたのを思い出したからです。私たちの世代はどうしても「教えてあげることが愛情」と思いがち。でも、今の時代、それだけでは足りないのです。

その瞬間、孫は少し考えてから、近くに落ちていた枝で山を掘り始めました。まっすぐな線ではなく、ぐにゃりと曲がったトンネル。でもそれは、彼なりに考え、工夫した結果だったのです。そんな姿を見て、今の子どもに本当に必要なのは「教えられること」ではなく「自分で考える力」なのだと、しみじみ感じました。

2. なぜ「考える力」が今の時代に必要なのか

孫と散歩

現代社会は、情報過多と言われる時代です。スマホやネットを使えば、答えはすぐに見つかります。ですが、「正解がある問題」ばかりではないのが現実です。

将来の社会では、問題を自分で発見し、自分で解決策を考える力がますます重要になります。AIやロボットが発展する今こそ、人間に求められるのは「創造性」や「思考力」です。

だからこそ、自分で考えて学ぶ力=“主体的な学び”を育てることが、今の子育てにおける大きなテーマとなっているのです。私自身、定年後の時間を通じて、そうした時代の変化を実感するようになりました。

3. 「自分で考える子」に育てる親の共通点とは?

どんな親が、子どもを「自分で考える子」に育てているのか。私がこれまで見聞きしてきた中で、「自分で考えて学ぶ子」の親には3つの共通点があるように思います。

  • 子どもの話をよく聞く
  • すぐに答えを与えない
  • 親自身も学び続けている

特に3つ目は重要です。

たとえば、子どもが「お母さん、それなに?」と聞いたとき、「お母さんも知らないなあ。じゃあ、一緒に調べてみよう」と言える親は、子どもにとって最高の学びの伴走者です。親が「学ぶ姿勢」を見せることで、子どもも自然と学ぶことに興味を持つようになるのです。

4. 親の“関わりすぎ”が子どもの思考力を奪う

教育熱心な親ほど、「ちゃんと教えなきゃ」「失敗させたくない」と思いがちです。けれど、親が先回りしてすべてを整えてしまうと、子どもは自分で考える機会を失ってしまいます

私はかつて、子どもが靴を左右逆に履こうとすると、すぐに直してしまっていました。でも今思えば、「なぜ履きにくいのか」を体験して、自分で気づくほうがずっと学びにつながるのです。

失敗を恐れずにチャレンジする経験こそが、子どもの“考える力”の土台となります。だから、親が一歩引いて見守ることがとても大切なのです。

5. 私が見習いたい、若い親世代の行動

孫とおばあちゃん

最近は、SNSや育児ブログなどで若い親御さんの育児法を目にする機会が増えました。中でも、「子どものやる気を引き出す言葉かけ」には感心することばかりです。

たとえば、「できたね!」と成果を褒めるよりも、「どうしてそうしたの?」と問いかけることで、子どもの思考を深める声かけ。これは、子ども自身に考えることの意味を教えている行為なのです。

このような問いかけによって、子どもは「自分の考えを言葉にする練習」もできます。それが、思考力だけでなく表現力、ひいては人間関係にも良い影響を与えるのです。

6. 学びの環境を家庭で整える工夫

家庭の中に“学びのきっかけ”をちりばめておくと、子どもは自然と考えるようになります。たとえば、

  • 図鑑や辞書を手の届くところに置く
  • 親子でクイズを楽しむ
  • 一緒に料理やDIYをする(例:卵焼きを一緒に作って火加減を学ぶ、棚を組み立てて構造を理解するなど)

こうした日常の中での関わりが、子どもの思考力を鍛えるのです。特に、料理やDIYは「手を動かす」ことと「頭を使う」ことが同時に行われるため、効果的な学習になります。

7. 【表で見る】「考える子」を育てる家庭環境の違い

家庭の関わり方考える力への影響
すぐに教える受け身の姿勢が身に付く
一緒に考える思考のプロセスが育つ
親が答えを出す自発的な学びが減る
見守りながら任せる自分で考える習慣がつく

こうして見ると、「親の姿勢」がどれだけ子どもの未来に関わっているかがよくわかります。私も孫のことでつい手を出しそうになることがありますが、表にして見返すことで、自戒にもなります。

8. 昔と今の“教育観”の違い

昭和の頃は「親や先生の言うことを素直に聞くのが良い子」でした。でも今は、「自分で考えて、行動できる子」が求められています。

これは時代の流れであり、私たち親世代も柔軟に価値観をアップデートしていく必要があります。昔のやり方が通用しないことも多くなってきた今、学び続ける姿勢が必要です。

9. まとめ:60代の私ができるサポートとは

私自身、子育てはとうに卒業しましたが、孫の成長を見守る立場として“考える力”を育む手助けができると感じています。具体的には:

  • 子どもの質問には、すぐに答えず一緒に考える
  • 自分自身も学び続ける姿勢を見せる
  • 「教える」ではなく「気づかせる」関わりを心がける

また、親だけでなく祖父母世代にも、子どもたちの“思考力”を育てるためにできることがあると思います。60代だからこそ、時間にも心にも少し余裕があります。その分、若い親世代を見守り、時にはそっとサポートする“伴走者”のような存在になれたらと思います。


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