ふと立ち止まり、「自分の心のよりどころは何か」と考えたことはありませんか?
毎日の食卓での会話、週末に見る何気ないテレビ番組、あるいは朝の散歩中に交わす挨拶——そんな些細なことが、私たちの心を支えているのかもしれません。
シニア世代に差しかかると、若いころには感じなかった孤独や、生活の中でのつながりの大切さが、より深く心に響いてきます。
実は、その“よりどころ”は男女で少し違いがあるのです。
今回は、そんな男女の違いを丁寧に紐解きながら、日々の暮らしをより豊かにするヒントをご紹介します。あなたにもきっと思い当たる経験があるはず。心の整理にもなるこの記事、ぜひ最後まで読んでみてください。
男性にとっての心の支えは「配偶者」

- 結婚生活の年月が長い
- 会話の機会が限られる
- 家族との物理的距離が縮小
- 友人付き合いが減少
60代を迎える男性の多くにとって、配偶者との関係が生活の核になります。特に定年後、社会との接点が少なくなると、日常の会話相手は妻だけというケースも多いものです。
私もそうでした。退職後に会う人が一気に減り、自然と妻との会話が増えました。それまで仕事中心だった私にとって、「今日なに食べたい?」という何気ない一言が、どれだけ気持ちを支えていたか——。
実はそのとき、つい「なんでもいい」と答えてしまい、妻に「それって冷たいね」と言われたことがあります。それがきっかけで、「今日はカレーにしようかな。久しぶりに一緒に作ろうか」と、具体的な返事を心がけるようになりました。それだけで夫婦の会話が増え、自然と笑顔も多くなった気がします。
夫婦の会話が減っていると感じている方は、今が再びつながるチャンスかもしれません。
女性にとっては「子ども」や「友人」が鍵
- 子どもとの連絡頻度が高い
- 女友達との関係を大切にする
- 地域コミュニティに積極参加
- 感情の共有を大切にする傾向
一方で、女性は配偶者以外との関係を大切にする傾向があります。
子どもや孫、昔からの友人との関係が、日々の支えになっていることが多いのです。
妻のスマホを見ると、LINEや電話の履歴がほとんど娘や友人。私との会話より、はるかに多いことに驚いたこともありました(笑)。
さらに、私が風邪で寝込んでいたとき、妻が「大丈夫?」とだけ言って、すぐ友人と電話し始めたことがありました。そのときは少し寂しく感じましたが、あとで「〇〇さんと話してたら元気が出た」と笑っていた妻を見て、誰かとつながっていることの大切さを実感しました。
女性のほうが人とのつながりに柔軟で、意識的にコミュニケーションを取っているようです。
グラフで見る「男女のよりどころの違い」

こうした傾向は、データでも明らかになっています。以下は60歳以上を対象とした調査結果です。
(図1)よりどころにしている対象(60歳以上男女・複数回答可)
対象 | 男性 (%) | 女性 (%) |
---|---|---|
配偶者 | 72 | 46 |
子ども | 35 | 59 |
友人・知人 | 28 | 54 |
自分の趣味 | 25 | 31 |
このように、男性は配偶者を、女性は子どもや友人をよりどころにしている傾向がデータでも明らかです。
意外と知られていない事実ですが、こうした背景を知るだけでも夫婦関係や家庭内の理解が深まります。
なぜ男性は配偶者を頼るのか
- 社会的つながりの喪失
- 男性同士の友情は浅い?
- 外での役割が大きすぎた
- 一人の時間の過ごし方に不慣れ
定年を迎えると、それまでの肩書や社会的な役割が一気になくなります。
私も「○○部長」と呼ばれていた頃とは違い、今では名前すら忘れられてしまったような気がすることも。
また、男同士の付き合いは「飲みに行く」「ゴルフに行く」といった目的がないと継続しにくい面があります。
結果として、もっとも身近な存在である妻に心のよりどころを求める傾向が強くなるのです。
女性が多方面によりどころを持てる理由

- 育児を通じたコミュニティ作り
- 感情を共有しやすい
- 共感力が高い
- SNSの活用も上手
女性は、育児やママ友付き合いを通して自然と人とのつながりを築いてきました。
その関係性がシニア期にも続きやすく、「あの人にちょっと聞いてみようかな」「愚痴を言いたいな」といった気持ちをすぐ共有できる環境が整っているのです。
SNSもうまく活用していて、私の妻もInstagramで孫の写真を共有したり、地域のイベント情報を調べたりと、日々忙しくしています。
こうしたネットとリアルを使い分けたつながりの多さが、女性の生活の豊かさに直結しているのではと感じます。
消費行動にも見られる違い
- 男性は大きな買い物を重視
- 女性は日々の楽しみにお金をかける
- ギフト選びも目的が違う
- 節約意識にも温度差がある
あるとき、夫婦で旅行を計画した際、私は「せっかくなら豪華旅館に」と言ったのですが、妻は「それよりも数回、気軽に出かけられる方がいい」と反対しました。
このように、男性は特別な一回に重きを置き、女性は継続性や気軽さを重視する傾向があります。
プレゼントの選び方ひとつとっても、男性は実用性重視、女性は相手の気持ちを優先。
そうした違いに気づくだけでも、より良い関係が築けます。
夫婦間のすれ違いはどこで生まれる?
- コミュニケーションの不足
- 価値観のすれ違い
- 日常リズムの違い
- 感謝の言葉が減る
私がテレビを観て笑っていたら、妻に「そんなの面白いの?」と呆れられたことがあります。
たしかに笑いのツボも違うし、朝の過ごし方、食事の好み、話すタイミングなど、細かい部分ですれ違うことは多々あります。
でも、それを「違い」として受け入れ、感謝の言葉を交わすだけで、お互いの気持ちはぐっと近づきます。
「ありがとう」「おつかれさま」、その一言が、何よりも大切です。
よりどころがないとどうなるか
- 孤独感が深まる
- 健康にも悪影響
- 気力がなくなる
- 無気力・無関心の原因に
知人の一人は、奥さんに先立たれてから急激に元気をなくしました。
「誰とも話さない日がある」と話していた彼の表情は、どこか寂しげでした。
心のよりどころがある人と、そうでない人とでは、日々の充実感や体調にも大きな違いが生まれるのです。
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- 人は一人では生きられない
- 気持ちを共有する相手が必要
- 自分から動くことがカギ
- 年齢を言い訳にしない
この年齢になると、「いまさら友達なんて」と思いがち。
でも、心を許せる相手がいるだけで、人生はずっと軽やかになります。
私は昔の同僚に思い切って連絡をとってみたことがあります。「今さら何の用?」と思われるのが怖かったのですが、返ってきたのは「久しぶりだね!今度お茶でもしようよ」という嬉しい言葉。そのときの喜びは、思っていた以上に大きく、再び会話ができる相手が増えたことに、心から安心しました。
【まとめ】
シニア世代にとって、「心のよりどころ」は生活の質を左右する大切な要素です。
男女でそのよりどころが異なるのは当然のこと。大事なのは、お互いの違いを理解し、尊重すること。
あなたも、日常の中に「ちょっとしたつながり」を見つけてみませんか?
今日の何気ない会話が、あなたの心の支えになるかもしれません。
例えば、以下のようなことから始めてみましょう:
- 近所のカフェで一人時間を楽しむ
- 昔の友人に電話をしてみる
- 地域の掲示板を見てイベントに参加する
- 妻との食事にちょっとした会話を添える
さあ、今からできる第一歩を踏み出しましょう。


