あなたの人生にも物語がある——60代からの歩き方
気がつけば人生の折り返し地点を越えていた

- 若い頃は60歳は“終着駅”と思っていた
- 実際にその年齢になると実感が湧かない
- 平均寿命の伸びで人生設計が変化
- 60代は「老後」ではなく「次のステージ」
20代の頃、「60歳」と聞けばどこかご隠居然としたイメージを抱いていた人も多いと思います。しかし、いざその年齢に差し掛かると、実際にはまだまだ気持ちも体も現役の延長線上。かつて思い描いていた「老後」とはかけ離れた現実に戸惑いさえ覚えるものです。
医療の進歩や生活環境の向上により、日本人の平均寿命は大幅に延びました。最新の統計では男性は81歳、女性は87歳を超えています。60代というのは、人生の終わりではなく、まだ“続き”がたっぷりある期間。そう考えれば、「自分らしい物語の第2章」をどう描くかを真剣に考えるタイミングでもあります。
人生の軌跡を振り返るということ
- 自分らしさのヒントは過去にある
- 自伝的記憶には行動傾向のルーツが隠れている
- 悔いも喜びも、自分の一部
- 未来への選択肢が見えてくる
自分の人生を振り返ることにどこか抵抗を感じている方もいるかもしれません。けれど、過去の出来事やそこにある感情は、自分という人間の骨格をつくってきた大切な構成要素です。あの時の選択、この時の挫折——それらのすべてが、今の自分を形づくっています。
たとえば、若い頃にした失恋や進路の迷い。あのときは苦しかったけれど、今思えば確かに成長につながっていた。そんな感覚はありませんか?それが“自伝的記憶”というもの。点と点がつながって、線となり、人生の流れを教えてくれるのです。
働くことがすべてだった自分を振り返る
- 会社中心の生活が長かった
- 仕事を辞めたあとの喪失感
- 無趣味だったことに焦る
- 第2の居場所を求めて
私も長年、会社と家の往復の毎日でした。特に40代、50代は仕事が忙しく、振り返る余裕すらなかったほど。だからこそ、定年を迎えて「これからどうしよう」と途方に暮れる瞬間がありました。趣味もなく、知人も減り、何より“自分は何者か”がわからなくなった。
実は、退職して最初の1ヶ月は、毎日ソファでぼんやりテレビを見て過ごし、夜になると妙な虚しさに襲われました。「このままではまずい」と思いながらも、何をすればよいかもわからない。そんなとき、たまたま新聞で見つけた市の写真教室に申し込み、はじめて「自分の時間」に出会ったのです。あの一歩がなければ、私は今も何もせずに過ごしていたかもしれません。
喪失と向き合う60代

- 仕事や役割の喪失
- 身体の変化への戸惑い
- 人間関係の縮小
- 精神的な不安感
60代は、何かを得る時期ではなく「手放す」ことが増える時期とも言えます。仕事という役割、若さ、気力、人との関わり。そうした変化に対し、戸惑いや不安を抱くのは当然です。
例えば、長年続けてきた仕事を辞めてから、平日がただの「空白」に見えてしまう。家にいても居場所がない気がして、外出ばかりしてしまう。私にもそんな時期がありました。しかし、それは「余生」ではなく、「自分と向き合う時間」と捉え直すことができれば、ぐっと前向きになれるはずです。
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老後ではなく、未来を設計するという考え方
- 60代を「人生後半の設計期間」と考える
- 自分の価値観を再確認する
- 新しい役割や活動を模索する
- 精神的な軸を整える
老後という言葉にはどこか“余った時間”という響きがありますが、私はこの考えを見直したいと思います。むしろ、これからの時間を「人生後半の設計期間」として活用する。そう考えると、自分の中に軸が通るようになります。
人生の中盤まで、他人の期待や社会のルールに沿って生きてきたなら、後半は「自分自身」の価値観に沿って生きていく。それが成熟した生き方ではないでしょうか。
表:60代が抱える主な不安と対応策
不安 | 主な原因 | 対応策 |
---|---|---|
孤独感 | 人間関係の希薄化 | 地域活動や趣味を持つ |
無目的感 | 仕事の喪失 | 新しい役割を見つける |
健康不安 | 身体機能の衰え | 軽い運動と定期健診 |
将来への不安 | 経済や老化への心配 | 情報収集と計画の見直し |
孤独感との付き合い方

- 孤独は誰もが抱える感情
- 関係性の質を重視する
- 地域やオンラインで新たな出会いを
- 小さなつながりを大切に
「老後は孤独」とよく言われます。でも、それは本当にそうでしょうか?家族や職場のつながりが薄れる一方で、新たな出会いやコミュニティの形成も可能です。
実際、私は地域の市民講座に参加したことで、まったく違う職業の人たちと交流する機会が増えました。新しい関係は新しい自分を引き出してくれるものです。最初は勇気が要りますが、まずは一歩踏み出してみることが大切です。
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健康との向き合い方
- 身体の変化を受け入れる
- 食事と運動を見直す
- 医療と上手に付き合う
- 「予防」の意識を高める
60代に入ると、どうしても体力の衰えや健康への不安が大きくなります。私もある日、階段を上がって息が切れる自分に驚きました。でもそこで「もう年だから仕方ない」と諦めるのではなく、生活を少しずつ見直すことで状況は改善できます。
ウォーキングを習慣にしたり、野菜中心の食事にしたり、定期的に医師と相談することで、安心感がぐっと増してきます。「健康でいられる時間を延ばす」という視点が重要です。
趣味の力を侮ってはいけない
- 生きがいが日々を支える
- 無趣味だった過去を脱する
- 新しいことに挑戦する勇気
- 小さな達成が自信につながる
私は定年まで仕事一筋。趣味らしい趣味がなかったのがずっとコンプレックスでした。そんな自分が初めて夢中になったのが陶芸。きっかけは新聞で見た体験教室の記事でした。
初めて触れる粘土の感触、形ができていく楽しさ。作品が完成するたびに、「自分にもこんな時間が持てるんだ」と嬉しくなりました。趣味は時間の消費ではなく、「自分を育てる営み」なのだと感じています。
最後に:これからの人生をどう歩くか
- 過去を受け入れ、未来を選ぶ
- 自分の物語に誇りを持つ
- 変化を恐れず、一歩踏み出す
- 小さな「始まり」を大切に
人生は誰にとっても一度きり。そして60代は「終わり」ではなく、「再出発のとき」です。振り返れば、嬉しかったことも悔しかったこともたくさんあります。でも、それらを抱えて今の自分がある。
私自身、退職後の1年は本当に迷いと孤独の連続でした。でも、写真や陶芸という趣味と出会い、人との関わりを取り戻したことで、自分を再び見つけることができました。
これからの人生をどう描くか——その選択肢は、あなたの手の中にあります。どうか、過去に縛られすぎず、未来に怯えすぎず、自分の足で一歩踏み出してみてください。
さて、あなたはこの先、どんな物語を紡いでいきますか?
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