在宅勤務で「専用ワークスペースなし」が六割――60代の働き方を見つめ直す

在宅勤務が広がった今、皆さんは自宅でどのように仕事をしていますか?
私もそうですが、「専用の仕事部屋なんてない」「家族の生活音や距離が気になる」という方は多いのではないでしょうか。
特に私たち60代は、在宅と出社を組み合わせた“ハイブリッド勤務”が増える世代。便利な反面、家庭内での「仕事環境づくり」に悩んでいる方も少なくありません。
今回は、「在宅ワークで専用スペースがない現実」「そこから生じるストレス」「簡単にできる静かな集中空間の作り方」について、データや体験談、私自身の気づきを交えつつ、一緒に考えてみたいと思います。
自宅勤務者の約六割が「専用ワークスペースなし」
- 六割以上がリビングやダイニングで仕事をしている
- デスクも椅子も家庭用が多い
- 家族との距離が近く、集中しにくい
最新の調査によると、在宅勤務者の約60%が“専用ワークスペースなし”で働いているそうです。私の周りでも、「リビングのテーブルでパソコンを開く」「ダイニングの一角を使う」という声が圧倒的です。
私も最初は自分の部屋がなかったため、食卓で仕事を始めましたが、家族の生活音や、たまの孫の来訪で、なかなか集中できませんでした。こうした状況は決して珍しくありません。
【表:在宅勤務者のワークスペース利用実態】
ワークスペースの種類 | 利用者割合(%) |
---|---|
専用ワークルーム | 22 |
リビング/ダイニング | 48 |
寝室 | 16 |
その他(廊下・納戸) | 14 |
このように、実に半数近くの人が「生活スペース=仕事場」になっているのです。
生活音と家族との距離――最大のストレス要因
- テレビや会話、キッチンの音が気になる
- 家族の生活リズムとぶつかりやすい
- 集中できず、仕事がはかどらない
在宅勤務のストレスで一番多いのが、「生活音」や「家族との距離」です。
仕事の電話中に家族の話し声が入ったり、テレビの音が気になったり…。家族の誰かが料理を始めると、フライパンの音や換気扇が響くのもよくあることです。
私自身も、「重要なオンライン会議中に、孫の笑い声や妻の炊事の音が入り、恥ずかしい思いをした」ことがあります。
家族と過ごせるのは幸せですが、仕事のときは「もう少し静かに…」とお願いしたくなる場面も、正直あります。
ハイブリッド勤務の60代――新しい働き方の現実
- 在宅と出社を組み合わせるスタイルが主流に
- 通勤の負担が減る反面、家での役割が増える
- 家庭と仕事の“切り替え”が難しい
60代は、フルリモートよりも「週に数日だけ出社、あとは在宅」という“ハイブリッド勤務”が多い世代です。
私も週3日は家で仕事、残りは職場という生活を続けています。
通勤が減って体は楽になったものの、その分「家での役割」(孫の世話や買い物など)を頼まれやすくなりました。
仕事と家庭の境界があいまいになり、「いつの間にか家事に手を取られてしまう」こともしばしば。
切り替えの難しさを実感している方も多いでしょう。
集中できる「小さなゾーン」を作る工夫
- 机やパーテーションで仕事ゾーンを区切る
- 家族に「ここだけは静かに」と伝える
- 仕事グッズを一式まとめておく
専用の部屋がなくても、「ここだけは仕事スペース」と決めて区切ることが大切です。
私は小さな折りたたみ机を買い、リビングの片隅に設置。パーテーションや観葉植物を使って、“なんとなくここは仕事ゾーン”という雰囲気を作っています。
家族にも「この机に座っている間は仕事中だから、そっとしておいて」と伝えることで、少しずつ協力してもらえるようになりました。
文房具やノート、パソコンなど仕事道具は一つのカゴにまとめ、必要なときにすぐに取り出せるように工夫しています。
静かな環境をつくる音対策のポイント

- 窓を閉めて外の騒音をシャットアウト
- イヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンを活用
- 家族にも「音に気をつけて」と協力を頼む
私が実践して効果を感じたのが、「音の遮断」です。
外の騒音が気になるときは窓を閉め、静かなBGMやホワイトノイズを流すこともあります。
特におすすめなのが、「イヤーマフ」や「ノイズキャンセリングイヤホン」。
最近は安価なものも多く、家族の生活音やテレビの音をかなりカットしてくれます。
「耳栓+イヤーマフ」のダブル使いをする日もありますが、本当に集中できます。
家族と良好な関係を保つために
- 仕事時間と家庭時間を分ける意識
- 伝え方・コミュニケーションを大切にする
- 無理なく協力をお願いする
家族の協力がなければ、在宅勤務は続けられません。「自分だけが我慢している」と思うとストレスもたまります。
私は「午前中は会議があるので静かにしてほしい」「お昼は一緒にご飯を食べよう」と伝えるようにしています。
相手を気遣いながらも、自分の希望もはっきり伝えることで、家族との関係も良好に保てると感じています。
お互いが譲り合い、理解し合うことが、在宅勤務を成功させるコツかもしれません。
家具やグッズで「仕事感」を演出するコツ
- 折りたたみデスクやワゴンを活用する
- 観葉植物や小物で“オフィスらしさ”をプラス
- 毎日“仕事の支度”をして気持ちを切り替える
家庭用の家具でも、少し工夫するだけで**「ここは仕事スペースだ」と感じられる環境**を作れます。
私は折りたたみデスクを導入し、仕事が終わったら片付けることで“ON/OFF”の切り替えをしています。
観葉植物やお気に入りの文具、シンプルなデスクライトを置くだけで、気持ちも引き締まります。
「今日も頑張るぞ」と、毎朝小さなルーティンを作るのもおすすめです。
長時間座っても疲れにくい環境づくり
- 家庭用椅子でも座布団やクッションで工夫
- 姿勢が崩れないように背もたれや足元に注意
- 定期的に立ち上がりストレッチを
オフィスチェアがなくても、座布団やクッションを使えばかなり快適になります。
私は腰当て用クッションを一つ買い、椅子にセットして使っています。
それだけで腰痛が減り、仕事に集中できる時間が長くなりました。
また、1時間ごとに立ち上がり、簡単なストレッチをするのも大切です。
体を動かすことでリフレッシュでき、集中力も持続します。
60代の「健康」と「生産性」を守る生活リズム
- 毎日の「始業・終業時刻」を決めておく
- 朝の散歩やラジオ体操でリズムを作る
- 適度な休憩と水分補給を心がける
在宅勤務はどうしても生活リズムが崩れやすいものです。
私は「始業時間になったら必ず席につく」「終業したら机を片付ける」と決め、だらだらしないように気をつけています。
朝は短い散歩やラジオ体操を日課にして、体を動かすことも大事にしています。
水分補給や軽いおやつで休憩しつつ、無理なく仕事を続けるのが、60代ならではの働き方だと感じています。
実際に使って良かった“在宅勤務グッズ”紹介
- ノイズキャンセリングイヤホン:外の音をカットし、会議に集中できる
- 折りたたみデスク:簡単に片付けられて、部屋を広く使える
- クッション&腰当て:長時間座っても腰痛になりにくい
ここで、私が実際に使って「本当に買ってよかった!」と思ったアイテムを紹介します。
ノイズキャンセリングイヤホンは、周りの音をかなり抑えてくれるので、会議や資料作成に集中できます。
また、折りたたみデスクは必要なときだけ出せるので、狭いリビングでも使いやすいです。
腰や背中が痛くならないようにクッションや腰当ても必須。これだけでも、仕事へのストレスがぐっと減りました。
ワークスペースの工夫が心の余裕につながる

- 「自分なりの仕事空間」を持つことで、精神的な安心感が生まれる
- 小さな工夫の積み重ねが生産性向上に
- 無理なく続けられる“自分流”を見つける
最初は「こんな小さな机じゃ仕事にならない」と思っていた私も、少しずつ工夫を重ねるうちに、「自分だけの集中ゾーン」ができてきました。
小さな観葉植物を置いたり、ちょっとしたメモボードを壁に貼ったり…自分なりの工夫が、気持ちの切り替えや安心感に繋がることを実感しています。
「専用部屋がない」「家族がいて静かにできない」という悩みも、少しの工夫と周囲の理解で、意外と乗り越えられるものです。
まとめ――60代の在宅勤務、「自分流」で快適に
在宅勤務が当たり前となった今、「専用ワークスペースがない」ことに悩む方は多いでしょう。
ですが、小さなスペースでも自分流の仕事環境を作ることが、心の余裕や生産性アップにつながります。
- パーテーションや小さな机で仕事ゾーンを区切る
- イヤーマフやノイズキャンセリングで音対策
- 家族とコミュニケーションを大切に、協力をお願いする
- 椅子や机、グッズで快適さを工夫
- 生活リズムを意識し、健康も大切にする
今日からでもできる小さな工夫を始めてみませんか?
「ここだけは自分の集中ゾーン」と決めて、快適な在宅ワークを実現しましょう。
最後に――あなたも、家のどこかで“自分だけの仕事スペース”を見つけてみませんか?
その小さな工夫が、きっと日々の安心や働く楽しさに繋がるはずです。