「山菜採りの落とし穴と安全対策」自然を甘く見ないための備え方

田舎の風景
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自然との距離感を見直す:山菜採りで道に迷った夫婦の一件から学ぶこと

2025年5月7日、北海道の夕張岳で、山菜採りに出かけた60代の夫婦が行方不明になるというニュースが報じられました。幸いにも翌日に消防ヘリにより無事に発見され、大きなケガもなく健康状態も良好だったとのこと。ひとまず胸をなでおろしました。

もし自分が同じ状況に置かれたら——そう考えると、他人事ではありません。この出来事は、私たちシニア世代にとって「自然との向き合い方」を改めて考える機会でもあると感じました。


山菜採りは気軽なレジャー?その油断が危険に

しめじ
  • 山菜採りは季節の楽しみとして親しまれている
  • 目的が「食材探し」なため奥まで入りがち
  • 道標や目印の少ない場所が多い
  • 油断して装備が軽装になりやすい

山菜採りは、私たちにとって身近な自然とのふれあいです。

しかし、目的が明確すぎるがゆえに「ここまで来たら…」とつい奥まで足を延ばしてしまうのが怖いところ。目印もなく、周囲に同じような風景が広がっていると、方向感覚があっという間に狂ってしまいます。

私も春先の山菜採りで、夢中になって気がつけば道を見失い、1時間以上迷った経験があります。あの時はたまたま通りがかった別の採り手に助けてもらえましたが、もし誰にも会えなかったらと思うと、今でもぞっとします。


携帯電話やGPSは命綱になる

  • 電波の届く場所では現在地の把握が可能
  • GPSアプリで経路を記録できる
  • 登山用アプリはオフラインでも使えるものがある
  • モバイルバッテリーの携帯も重要

最近は、登山者向けのGPSアプリが進化しており、事前にルートをダウンロードしておけばオフラインでも現在地の把握が可能です。私の友人は毎回、登山アプリで記録を残しており、「もしものときにこのルートで戻れる」と話していました。

スマホが命綱になる時代だからこそ、電池切れを防ぐためのモバイルバッテリーも必携です。以下に安心を高める装備一覧をまとめます。


安心を高める装備リスト(表)

装備品目的・メリット
地図・コンパス電波がなくても方向確認ができる
GPSアプリ現在地の確認とルート記録が可能
助けを呼ぶ際に声よりも遠くまで届く
モバイルバッテリー長時間の行動に備えスマホ電池切れ防止
ヘッドライト日が暮れても行動・捜索が可能

私も常にリュックに入れています。「こんな大げさな装備、山菜採りには不要」と感じるかもしれませんが、いざというときの備えが命を守ると強く感じています。


体力と体調の見極めが第一歩

  • 足腰の衰えを過信しない
  • 無理な傾斜・長距離移動は避ける
  • 天気や気温にも敏感になる
  • 体調不良時は無理せず中止

60代になると、自分では元気なつもりでも、ちょっとした登り坂やぬかるみで体力を消耗します。

以前、私は軽い風邪気味の状態で山に入り、帰り道で足が思うように動かなくなり、下山に倍の時間がかかってしまったことがあります。「今日はいける」と思い込まずに、「今日はやめておこう」と判断する勇気が、何よりの安全策です。


事前に家族や知人と計画を共有する

険しい山道
  • 行き先、予定時刻、同行者を伝える
  • 万が一の際、捜索が迅速に行える
  • メールやLINEでも記録を残す
  • 登山届けも有効な手段

私の知人が以前、登山口のポストに登山計画書を提出していて、それがきっかけで早期に発見されたという話があります。スマホ時代でも、アナログな手段が功を奏することもあるのです。計画の共有は、自分だけでなく家族の安心にもつながります。


沢や谷に降りることの危険性

  • 地形的に視界が悪くなりやすい
  • 地面が滑りやすく転倒リスクが高い
  • 上からの落石の危険
  • 通信が届きにくい場所が多い

今回、夫婦が発見されたのは「沢」でした。水辺は植物も豊富で山菜採りには適していますが、非常に危険な場所でもあります。私は過去に、ワサビの群生を見つけて興奮し、そのまま沢へ降りて滑って尻もちをついたことがあります(幸いケガはなし)。

水音が大きい場所では助けを呼んでも気づかれにくいという点も盲点です。


春山特有のリスクにも注意

  • 雪解けで道がぬかるんでいる
  • 一部に雪が残っている場合もある
  • 道が崩れていることも
  • 暖かい日でも日陰は寒い

5月とはいえ、夕張岳のような標高の高い山では、まだ雪が残っていることがあります。日差しに誘われて薄着で出かけてしまうと、日陰で体温を奪われてしまうことも。

春山は「気持ちの良い季節」ですが、夏山とはまったく別物と心得ましょう。


迷ったときの行動パターンを決めておく

雪が残る山
  • むやみに動かず、体力温存が基本
  • 開けた場所に出て救助を待つ
  • 目立つ服や布を出して視認性アップ
  • 同じ場所をぐるぐる回らない

方向を失ったとき、人はパニックになりがちです。以前、私が一緒に登った友人が「こういう時は座ってお茶でも飲もう」と言ったのを思い出します。冷静さを保つための「待つ姿勢」も、遭難を防ぐ手段なのです。


地元のガイドツアーを活用する

  • 地形や植物に詳しいガイドが案内
  • 遭難リスクが格段に減る
  • 山菜採りのマナーも学べる
  • 季節に応じた最適なルートで楽しめる

私の知人の中には、「ガイドと一緒だと安心感が全然違う」と言っていた方がいます。ガイドは自然の知識も豊富で、危ないエリアには近づかない判断力を持っています。自治体やNPOが主催するツアーもありますので、ぜひ利用してみましょう。


「自然を楽しむ」と「自然を舐めない」は両立する

  • 自然は癒しであり、時に脅威にもなる
  • 油断せず、準備して楽しむ姿勢が大切
  • 体験を通して学ぶことも多い
  • 「また行きたい」と思える経験を残す

自然と向き合うとき、「安全に帰る」ことが大前提です。私自身、少し油断したことで冷や汗をかいたことも多々あります。自然は優しさと厳しさの両方を持っている——だからこそ敬意をもって接することが、楽しむ秘訣でもあります。


まとめ:今日からできる自然との付き合い方

今回の夫婦の無事を知って、私も心から安心しました。同時に、自然と親しむ私たちにとって、この一件は他人事ではありません。装備、計画、健康管理、知識、どれも「準備」で差がつきます。

あなたは、次の山歩きの準備、できていますか?

もし少しでも不安があるなら、今日から少しずつ備えていきませんか?今こそ、自然と向き合う“姿勢”を見直して、安全に楽しむための行動を始めましょう。

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