「買い物がこんなに大変になるとは…」外出困難な暮らしに今できる対策とは

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最近、ちょっとした買い物にも苦労を感じるようになってきました。

買い物をする婦人

車を手放してからというもの、近くのスーパーまでの坂道がとにかくきつい。私だけではなく、周りの友人たちも「今日は買い物行けなかった」とこぼすことが増えました。

そんな日常の中で、よく耳にするようになった言葉——「買い物難民」。今では他人事ではなく、まさに自分のこととして感じています。全国で急増するこの問題は、単なる生活の不便さではなく、私たちの健康や生活の質にも深く関わってくる深刻な社会課題です。今回は、買い物難民の実態と背景、そして私たちにできることについて、私自身の体験も交えながら考えてみたいと思います。

食料品アクセスが難しい高齢者が900万人超え

  • 店舗から500m以上+車利用が困難な高齢者が対象
  • 2020年の調査で900万人を突破(初)
  • 高齢者の4人に1人が該当
  • 前回2015年比で9.7%増加

農林水産省の調査によると、食料品アクセスが困難な高齢者は全国で900万人を超えました。実に高齢者の4人に1人にあたります。自分の身の回りを見ても、「あの人も」「この人も」と思い当たる方がちらほらいます。私も数年前に運転免許を返納してから、一気に“買い物のハードル”が高くなりました。ちょっとした外出が大ごとになり、買い物をあきらめる日が増えたのです。

買い物難民の多くが75歳以上

  • 75歳以上が全体の62.6%
  • 加齢で運転困難、免許返納が増加
  • 判断力・運動機能の低下が影響
  • 認知症含む認知機能の低下も課題

75歳を過ぎると、買い物どころか外出そのものが億劫になってきます。私も「今日は調子が悪いから出かけるのはやめておこう」と感じる日が増えました。足腰の痛みやバランス感覚の低下など、買い物カートを押して歩くこと自体がしんどい。車に頼れないとなれば、買い物が困難になるのは当然のことです。加えて、最近は「今日は何を買いに来たんだっけ?」と買い忘れが増えてきたのも、正直ショックでした。

1人暮らし高齢者の増加も影響

  • かつての3世代同居が減少
  • 子どもや配偶者に頼れない高齢者が増加
  • 単身世帯が当たり前になった
  • 単身化=日常生活の負担が倍増

一人暮らしをしていると、病気をしても誰も気づかないし、買い物に行けない日が続くこともあります。以前、風邪で寝込んだとき、3日間インスタントうどんだけで過ごしたことがありました。食欲もないし買いに行けない。そのとき「誰かが買ってきてくれたら」と本気で思いました。昔は家族に「ついでにお願い」と頼めましたが、今はそうもいきません。

高齢者の多くは住宅街に住んでいる

  • 高齢者の76.2%が一戸建てに居住
  • 駅や商店街から離れた住宅地が多い
  • 車を手放すと”陸の孤島”状態に
  • 丘陵地やニュータウンの不便さも一因

私の家も駅から徒歩20分、スーパーはさらに10分。若い頃は何とも思いませんでしたが、今はこの距離が非常につらい。荷物が増える日には、帰り道が本当にしんどいです。住宅地の中にあるスーパーが閉店してしまったときは、正直「このままここに住み続けられるのか」と本気で悩みました。新興住宅地に住む高齢者の多くも同じ思いをしているでしょう。

地域スーパーの撤退が止まらない

街中
  • 商店街の衰退が続いている
  • 高齢化による個人店の廃業も増加
  • 大型店は郊外中心で徒歩圏外
  • 住宅地周辺に店舗が減少

昔から通っていた八百屋さんや肉屋さんが次々と閉店していくのを見るのは寂しいものです。小さな店は高齢者の社交場でもありました。そこがなくなると、買い物だけでなく、会話や人とのつながりも失われていきます。特に、近所の八百屋さんが閉店してしまったときは、店主とのちょっとしたやり取りがなくなり、孤独を感じました。

公共交通機関の縮小も拍車

  • 路線バスの減便や廃止が進行中
  • 鉄道駅も遠くなる一方
  • タクシーは高額+ドライバー不足
  • 外出自体がますます困難に

我が家の近くを走っていたバス路線も、2年前に廃止されました。今は最寄りのバス停まで徒歩15分、そこから1時間に1本の便でしか行けません。行きはよくても、帰りのバスがないということもあり、外出がまるで「冒険」のようになっています。時間に追われて買い物すること自体がストレスになることもあります。

東京圏にこそ買い物難民が集中

  • 神奈川・東京・大阪・愛知が上位
  • 東京圏だけで203万人超
  • 店舗数が多くてもカバーしきれない
  • 高齢者人口が集中しているため

「東京なら便利」と思われがちですが、高齢者が多く住んでいるという現実も忘れてはいけません。都心から少し外れたベッドタウンでは、スーパーの数が足りていないという声も多いです。私の友人も東京郊外に住んでいますが、「店があるのに行けない」状況にストレスを感じているそうです。便利な場所に住んでいても、アクセスが悪ければ意味がありません。

今後さらに深刻化する見通し

  • 高齢者人口は2043年がピーク
  • 単身化はさらに進行
  • 地域格差の拡大
  • 食生活の不安定化も懸念

未来の話ではなく、すでに始まっている問題なのです。このままでは「健康寿命」も大きく損なわれてしまいます。たとえ長生きしても、好きなものを買って食べられないのでは、生活の質が落ちてしまう。食生活が偏れば、栄養不足にもつながり、体調不良や病気のリスクも高まります。自分自身も最近、コンビニ食が続いて体調を崩したことがあり、食の大切さを改めて痛感しました。

高齢者の買い物支援策とは?

買い物をする若者
  • 移動販売や買い物代行の活用
  • 小型店舗の地域展開
  • 電動アシストカート・配達アプリの導入
  • 地域コミュニティによる支援活動

私の住んでいる地域でも、週2回だけ移動スーパーがやってきます。初めは「こんなので足りるか」と思っていましたが、意外と必要なものは手に入ります。今ではこの日が楽しみになりました。地域の人とのちょっとした会話も、心の支えになっています。最近では、スマホで注文できる配達アプリも試してみました。最初は戸惑いましたが、慣れてくるととても便利です。

いま私たちにできること

  • ご近所同士の声かけ・見守り
  • 地元商店の応援・利用
  • 買い物支援サービスの利用促進
  • 行政への意見・要望の提出

私自身、同じ町内の独り暮らしのおばあちゃんと一緒に買い物へ行くようになりました。ほんの小さな行動ですが、それでも誰かの役に立っていると実感できます。自分が困る前に、まずは誰かの手助けをする。それが、めぐりめぐって自分を助けることにもつながるのです。こうしたつながりが、これからの高齢社会において一番の支えになるのではないでしょうか。

【まとめ】

買い物難民の問題は、誰にでも起こり得ることです。今はまだ元気に買い物に行けていても、数年後には足腰が弱り、車も手放し、外出が難しくなるかもしれません。「まだ大丈夫」と思っている今こそ、自分自身の将来に向けて準備を始める絶好のタイミングなのです。

地域で助け合う仕組みを育てていくことも非常に重要です。私たちは一人では生きていけません。特に高齢期になればなるほど、身近な人とのつながりが生活の質を大きく左右します。例えば、町内会で買い物支援を定期的に呼びかけたり、スーパーが配達サービスを始めるよう働きかけることも一つの方法です。

また、情報を得る力も必要です。自分の地域でどんな支援制度があるのか、どんな団体が活動しているのかを知るだけでも、安心感が違います。スマホやネットが苦手な方も多いかもしれませんが、家族や友人、地域の支援者に一歩踏み込んで尋ねてみましょう。その姿勢が、今後の生活の質を守る力になります。

まずは、今日スーパーへ行ったときに、近くの誰かに「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてみる。それだけで、地域社会に温かなつながりが生まれます。困っているのは自分だけではありません。そして、助けることは、巡り巡って自分を支えることにもなるのです。

では、あなたはどんな行動を始めますか?
今の暮らしを守り、未来の自分を支える一歩を、今日から踏み出してみませんか?

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