日本は32位…子どもの精神的幸福度が低迷しているのはなぜ?

OECD調査から考える、現代の子どもたちの「見えないストレス」
最近、ニュースやSNSで「日本の子どもは世界的に見ても精神的幸福度が低い」といった話題をよく目にします。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本の子どもたちの精神的幸福度はなんと32位。世界の中でもかなり下位なんです。
私は30代独身で子どもはいませんが、友人や親戚の子どもたちの話を聞くと、「なんだか息苦しい社会だなぁ」と感じることもしばしば。
今回は、OECDや国際調査のデータをもとに、なぜ日本の子どもたちは精神的なストレスを感じやすいのか? そして私たち大人ができることは何か、一緒に考えてみたいと思います。
学校生活のプレッシャーが大きすぎる
- 成績重視の文化が根強い
- 学校の「空気」を読むことが求められる
- 失敗に対する寛容さが少ない
成績重視の文化が根強い
日本では「いい学校に入ること=幸せ」という空気がまだまだ根強いですよね。小学校から塾に通い、テストの点数や順位に一喜一憂。私自身も「通知表の成績が下がると家の空気がピリつく」なんてこと、よくありました…。
でも、本来はもっとのびのびと学ぶことや、好きなことに夢中になる時間も大切なはず。「勉強できる子がえらい」という価値観が、子どもたちの心の負担になっていると強く感じます。
学校の「空気」を読むことが求められる
「みんなと同じでいないと浮く」「空気を読めないと変な目で見られる」。こんな同調圧力も、子どもたちの心を苦しくしています。
私は大人になった今でも「空気を読めてないかも」とドキドキすることがありますが、子どもたちはそのプレッシャーをもっと強く感じていると思います。個性より「周りと合わせること」を求められる風潮、一度見直したいですよね。
失敗に対する寛容さが少ない
失敗した時に「どうしてできなかったの?」と言われると、自信をなくしてしまうことも。子どもの頃の私は「失敗したら怒られる」という恐怖で、チャレンジすること自体が怖くなっていました。本当は「失敗しても大丈夫」「やり直せる」っていう温かい空気が大事だと思うんです。
日本では「失敗=ダメなこと」と思われがちですが、それが子どもたちの心を窮屈にしています。
家庭環境による格差が広がっている
- 経済格差が学びや体験の差につながる
- 共働きやひとり親家庭が増加
- 家庭での会話やコミュニケーション不足
経済格差が学びや体験の差につながる
OECDのデータによると、日本は表向き「平均点が高い」ものの、経済格差が広がることで学びや経験の差も広がっていると言われています。
お金がある家庭は習い事や塾、海外体験などたくさんのチャンスを与えられますが、そうでない家庭は「我慢」や「諦め」が多くなることも。自分の子どものころも、「友達はみんな〇〇教室に行ってるのに、うちは無理だったなぁ」なんて思い出があります。
共働きやひとり親家庭が増加
昔に比べて、今は共働き家庭やひとり親家庭がとても多いです。両親が忙しくて、子どもが「話を聞いてもらえない」と感じたり、一人でご飯を食べたり。寂しさや不安が積もるのも無理はありません。
もちろん、働くお母さん・お父さんを責めるつもりは全くありませんが、社会全体で子育てを支える仕組みがもっと必要だと感じます。
家庭での会話やコミュニケーション不足
親も忙しくて余裕がなく、家で「ゆっくり話す時間がない」ことも増えています。「今日何があった?」と声をかけても、「別に」としか返ってこない…なんてエピソード、友達ママの間でもよく聞きます。会話が減ることで、子どもが自分の気持ちをため込みやすくなることも問題です。
SNSやネット社会の影響
- 「比較される社会」が日常化
- 誹謗中傷やいじめがネットでも起こる
- リアルな人間関係の希薄化
「比較される社会」が日常化
SNSの普及で、友達のキラキラした投稿や、有名人の成功ストーリーが簡単に目に入ってきます。
それを見て「自分は全然ダメだ」と感じてしまう子も少なくありません。私もSNSを見るたびに「この人みたいになれたら…」なんて思ったりしますが、子どもたちにとっては自己肯定感が下がる大きな要因になっているのだと思います。
誹謗中傷やいじめがネットでも起こる
今や「学校でいじめられる」だけでなく、「ネット上でも傷つく」時代。匿名で悪口を書かれたり、グループから外されたり…。
大人でもしんどいのに、子どもたちはどうやってそのストレスと向き合っているのでしょうか。私も昔、「悪口を言われたかも」と悩んだことがあって、今でもそのときの悲しい気持ちは忘れられません。
リアルな人間関係の希薄化
オンラインでのやりとりが増えて、リアルな友達関係が希薄になりやすいという問題も。実際に会って話す機会が減ることで、「本音を話せる相手」がいないと感じる子どもも増えているそうです。
私自身、コロナ禍で人と会う機会が激減した時、心がもやもやした経験があるので、子どもたちの孤独感は本当に深刻だなと思います。
日本独特の「自己肯定感」の低さ

- 「自分に自信がない」子どもが多い
- 褒められる機会が少ない
- 人と違うことを恐れる文化
「自分に自信がない」子どもが多い
OECDの調査でも、「自分に自信がある」と答えた日本の子どもはわずか13%。これ、先進国の中ではダントツに低い数字なんです。私も、子どものころ「どうせ私なんて…」と思ってしまうことが多かったです。
「自分を肯定できる」「自分の存在は価値がある」と思えることが、心の健康の土台だと思うので、この低さは本当に深刻です。
褒められる機会が少ない
日本では「できて当たり前」「うまくいかないと叱られる」文化が強いように感じます。例えば、100点をとっても「当然でしょ」と言われたり、逆に失敗したときだけ目立って怒られたり…。
小さな努力や成長を認めてあげる、褒めてあげることが、もっとあってもいいですよね。私も大人になってから「褒められるとすごくうれしい」と感じます。
人と違うことを恐れる文化
「空気を読む」「出る杭は打たれる」といった文化も、自己肯定感を下げる要因だと思います。みんなと違っていても「あなたはあなたで素敵」と言える社会になったら、もっと子どもたちものびのび育つのになぁと感じます。
私自身も、人と違う意見を言うのが苦手だったので、これはとても共感できます。
表:日本と他国の子どもの精神的幸福度ランキング(OECD調査・抜粋)
順位 | 国名 | 精神的幸福度スコア |
---|---|---|
1 | オランダ | 9.2 |
2 | フィンランド | 8.9 |
10 | カナダ | 7.4 |
20 | アメリカ | 6.2 |
32 | 日本 | 5.0 |
37 | 韓国 | 4.3 |
※OECD「How’s Life? 2023」などをもとに作成。数字はイメージです。
周囲の大人が抱く「理想」と「現実」のギャップ
- 「こうあってほしい」がプレッシャーに
- 時代に合わない価値観の押し付け
- 子どもの自由な発想が制限される
「こうあってほしい」がプレッシャーに
「いい大学に行って、安定した会社に就職してほしい」という親の思い。これ自体は悪いことじゃないけど、子ども自身の希望や個性を後回しにしてしまうことが多いのも事実です。
私も「家族の理想」と「自分のやりたいこと」の狭間で迷った経験があるので、すごくわかります。押し付けじゃなく、一緒に考えるスタンスが大事だと思います。
時代に合わない価値観の押し付け
今は「多様性」が大切な時代。でも、親世代や学校は「昔はこうだった」と言いがちですよね
。時代に合わない価値観を無理やり押し付けられることで、子どもが自分らしさを失ってしまうことも。「今の子どもたちはこう考えている」と大人も柔軟にアップデートできたらいいなと思います。
子どもの自由な発想が制限される
「そんなことして何になるの?」「やめておきなさい」と言われると、せっかくの好奇心やチャレンジ精神がしぼんでしまいます。
私は「やってみたかったのに」と後悔したこともあるので、もっと自由にトライできる環境が必要だと思います。
子どもの「生きづらさ」に関するリアルな声
- 「学校が楽しくない」と感じる子が多い
- 「相談できる大人がいない」問題
- 「自分の価値がわからない」悩み
「学校が楽しくない」と感じる子が多い
文科省の調査によると、小中高生の約3割が「学校が楽しいと思わない」と答えています。私も「学校が楽しい!」と感じた日は案外少なかったかも…。
「勉強」や「友達づきあい」がストレスになっている子どもは、想像以上に多いようです。
「相談できる大人がいない」問題

「困っていることがあっても、誰に話していいかわからない」と感じる子どもが増えています。家族も先生も忙しそうだったり、そもそも「こんなこと話していいのかな」と不安になったり。気軽に話せる、頼れる大人が身近にいることが、子どもたちの安心感につながると改めて思います。
「自分の価値がわからない」悩み
「自分にはどんな良いところがあるんだろう?」と迷っている子どもも多いです。SNSや学校で比較されることが増えて、「自分なんて…」と思い込んでしまう。
子どもの自己肯定感を高めるために、大人ができることはたくさんあるはずです。
表:子どものストレス要因(国際比較・イメージ)
ストレス要因 | 日本 | オランダ | アメリカ | 韓国 |
---|---|---|---|---|
学校の成績 | ◎ | △ | △ | ◎ |
家庭の経済状況 | 〇 | △ | ◎ | 〇 |
SNS・ネットいじめ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
自己肯定感の低さ | ◎ | △ | 〇 | ◎ |
相談できる大人 | △ | ◎ | 〇 | △ |
「子どもと向き合う」ために大人ができること
- 失敗も「経験」として受け入れる空気をつくる
- 子どもの話を「最後まで聴く」
- 「小さな成功」や「個性」を認めてあげる
失敗も「経験」として受け入れる空気をつくる
失敗したとき、「どうして?」ではなく「どんな気持ちだった?」と聞く。そうするだけで、子どもは「自分を受け入れてもらえた」と感じるはずです。
私も「大丈夫、やり直せるよ」と言ってもらえた経験が今でも心に残っています。「失敗=悪」ではなく、「成長のチャンス」として受け止める社会へ。
子どもの話を「最後まで聴く」
大人はつい忙しくて、話を途中で遮ってしまいがち。でも、子どもが話す内容に耳を傾けて「それでどう思ったの?」と返すことで、子どもは安心して心を開けます。「何を話しても受け止めてもらえる」、その感覚が子どもの心を守ると思います。
「小さな成功」や「個性」を認めてあげる
大きなことでなくても、昨日よりちょっと頑張ったこと、小さな変化を褒める。「あなたらしくていいよ」と声をかけてあげることで、自己肯定感が少しずつ育っていくと思います。
私も、ちょっとしたことを認めてもらえた経験が自信につながっています。
まとめ:今できることを、今日から少しずつ
いかがでしたか?日本の子どもたちの精神的幸福度が低迷している理由は、成績重視や同調圧力、家庭環境の変化、SNSの影響、自己肯定感の低さなど、いろいろな要因が複雑に絡み合っています。でも、その背景を知ることで、私たち大人にもできることがあると感じています。
忙しい日々の中で、つい「子どものことはわからない」「私には関係ない」と思ってしまうかもしれません。でも、子どもたちの未来を支えるのは、身近な大人のひとことや、ちょっとした気遣いなのかもしれません。
私も、自分自身が子どもだったときの「もうちょっと優しくしてほしかったな」という気持ちを思い出しながら、大人としてできることを少しずつやっていきたいです。
あなたは、最近どんな「子どもとの向き合い方」に気づきがありましたか?
今日からできること、一緒に始めてみませんか?


