現代人の「疲労感」――私たちの暮らしは、なぜこんなに疲れるのか

- 生活の便利さが逆に「心と体の負担」につながっている
- ストレスを感じても、なかなか休息を取れない人が多い
- 年齢を重ねるごとに「疲れが抜けにくい」と感じることが増える
60代になり、仕事や家族、趣味などさまざまな役割を経験してきました。便利な時代になったはずなのに、「何だか毎日、妙に疲れる」と感じることはありませんか?
私自身もサラリーマン時代、便利なスマホやパソコンに囲まれながらも、なぜか頭も身体も重い…。そんな実感が年々強くなりました。実はこの“疲労感”、生活の便利さや情報過多が引き起こす現代特有の現象なのです。特に60代は、若い頃と違って一晩寝ればリセット!というわけにはいきません。
ですが、だからこそ日常に“ちょっとした工夫”を取り入れることで、疲労感を大きく軽減できるのもこの年代の特権。この記事では、私自身や同世代の友人たちの実例を交えながら、誰でも簡単に続けられる「4つのスタイル」で、ストレスと疲労をうまくリセットするヒントをお届けします。
日常を変える「4つの疲労軽減スタイル」とは
- ランチ休憩の“質”を見直す
- スマホ断ちで「脳の休息時間」をつくる
- 深呼吸&軽いストレッチの習慣化
- 「五感リセット」で生活リズムを整える
疲れたと感じるとき、無理に頑張らず“今できる工夫”から始めることが肝心です。この4つの方法は、特別な準備も道具もいりません。むしろ毎日の“ちょっとしたタイミング”を変えるだけ。
それでは、ひとつずつ具体的に見ていきましょう。
ランチ休憩の「質」を上げる
- 食事中は仕事やニュースの話題を持ち込まない
- 食後10分、机から離れて静かな時間を持つ
- 「孤食」を避けて、気の合う仲間と雑談を楽しむ
私たちの世代、ランチといえば「とりあえずお腹を満たすもの」という感覚が強かったのではないでしょうか。ですが最近は、食事そのものが“心の休憩”になると実感しています。
たとえば、食事中にスマホでニュースを見たり、仕事の話を続けたりしていませんか?これでは脳も心もリラックスできません。
食後は思い切って10分ほど席を立ち、窓際や公園で“静かな時間”を持つと、不思議と頭がすっきりします。私は友人と他愛のない話をすることで、「また午後も頑張れるな」と感じます。ランチは栄養補給+心の休息、そんな意識を持つだけでも疲労感はずいぶん和らぎます。
スマホ断ち――「脳の休息時間」を意識して持つ

- 1日30分だけ、スマホ・PCを完全にオフ
- 通知は「本当に必要なもの」だけに絞る
- 寝る前のスマホ閲覧をやめて、睡眠の質を高める
現代の最大の“便利”は、同時に最大の“ストレス源”にもなっています。
特にスマホ。情報が入ってきすぎて、知らないうちに脳が疲れている…。これ、あなたも心当たりありませんか?
私も以前は「暇があればスマホでニュースやSNSをチェック」。でも、1日30分だけ完全にスマホをオフにしてみたら、思った以上に頭が軽くなりました。通知設定も「本当に必要なもの」だけに絞ると、余計な情報に気を取られません。
そして何より、寝る前にスマホを見ないことで、翌朝の目覚めがすっきり。「たったこれだけ?」と思うかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。
深呼吸と軽いストレッチ――「身体の声」に耳を傾ける
- 朝起きてすぐに、深呼吸と肩回しをセットに
- デスクワーク中も1時間に1回、軽く身体を動かす
- 入浴後のストレッチで心身をリセット
60代になると、「何もしていないのに疲れる」「ちょっとしたことで身体がだるい」と感じることが増えます。
私が実践しているのは、“深呼吸”と“軽いストレッチ”の習慣化です。たとえば、朝起きたらまずベッドの中で大きく息を吸い、肩を数回回すだけでも血流が良くなり、頭が冴えます。
デスクワークの合間も、1時間に1度は立ち上がり、軽く体を動かすのが効果的。夜は入浴後、体が温まったタイミングでストレッチをすると、ぐっすり眠れます。「毎日は無理だ」と思う方も、できる日だけで構いません。身体の声に耳を傾けることが、結果的に疲労回復につながります。
「五感リセット」で生活リズムを整える
- 朝の光を浴びて体内時計をリセット
- 好きな音楽や自然音で“耳”からリラックス
- 香りや温かい飲み物で“嗅覚・味覚”を刺激する
日常のストレスは、五感が“情報疲れ”を起こしているサインかもしれません。
朝、カーテンを開けて光を浴びると、脳がシャキッとします。私も休日はお気に入りの音楽や、鳥のさえずりを聞いて過ごす時間を大切にしています。さらに、ハーブティーやコーヒーの香り、和菓子などのやさしい甘味で心がほっとします。
「五感リセット」は、道具いらずで始められる最良のリフレッシュ法。毎日のどこかに“自分のための五感時間”を意識してみませんか?
表:現代人の主な疲労要因と改善アプローチ
| 疲労要因 | よくある生活例 | 改善スタイル例 |
|---|---|---|
| 情報過多 | スマホ・PCの長時間利用 | スマホ断ち(1日30分) |
| 休憩の質が低い | 食事中も仕事やニュース | ランチ休憩の“質”を上げる |
| 運動不足 | 座りっぱなし | 深呼吸&ストレッチ |
| 生活リズムの乱れ | 夜更かし・睡眠不足 | 五感リセットで朝のリズム調整 |
※日々の小さな選択が、疲労感を大きく左右します。
日々の「小さな習慣」が疲労を軽減する理由
- 習慣化することでストレスを感じにくくなる
- 続けるうちに「自分なりの回復パターン」が見えてくる
- 心身の健康を守る自己管理力が高まる
“習慣は力なり”と言われますが、これは年齢を重ねてからこそ実感できる真理です。私も若い頃は無理が効きましたが、今は「毎日少しずつ、自分を整える」ことの大切さを痛感しています。
たとえば、朝の深呼吸を“毎日3回だけ”と決めて習慣にすると、「今日はやった、昨日もやった」と小さな成功体験が積み重なります。この積み重ねが、ストレスや疲労を跳ね返す力に変わるのです。
そして、「自分には何が合うのか」が徐々に見えてくるので、よりラクに、効果的な方法を選べるようになります。
具体例1:「ランチ後の10分散歩」で午後の集中力がアップ
- 食後すぐに席を立ち、建物の外に出る
- 緑や空を眺めながらゆっくり歩く
- できれば仲間とおしゃべりしながらリラックス
私の知人(62歳男性)は、仕事の合間に“10分だけ外を歩く”ことを習慣にしています。「最初は面倒だったけど、やってみたら午後の頭が冴えて、会議での発言も増えた」と話していました。
私自身も、昼食後に公園のベンチでぼーっとする時間を持つと、午後の仕事が楽になると実感しています。
ポイントは「スマホを持たない」「あえて一人で歩く日を作る」など、日によって変化をつけること。こうした小さな工夫が、心身の切り替えにつながります。
具体例2:「寝る前スマホ断ち」で眠りの質が向上
- 就寝30分前からスマホ・PCをオフにする
- 代わりに本や新聞を読んで“アナログ時間”を楽しむ
- 目を閉じて「1日を振り返る静かな時間」を持つ
多くの人が「寝る直前までスマホをいじってしまう」という現代の習慣。
私もかつてはニュースやメールチェックがやめられませんでしたが、思い切って“寝る前スマホ断ち”を始めたところ、驚くほど睡眠の質が向上しました。
寝つきがよくなり、夜中に目が覚める回数も減ったのです。
最初は手持ち無沙汰に感じますが、慣れると“静けさの価値”に気づきます。脳も心も、しっかり休ませることができるのです。
具体例3:深呼吸とストレッチで「朝の不調」をリセット
- 朝起きたらベッドの上で深呼吸を3回
- 首や肩をゆっくり回して血流を促す
- 太陽の光を浴びて1日をスタート
「朝、起きるのがつらい…」と感じるのは、年齢を重ねた証拠かもしれません。
ですが、朝いちばんの深呼吸と軽いストレッチを習慣化することで、身体の重さが軽減されます。
私は毎朝、カーテンを開けて太陽の光を顔に浴びながら、ゆっくり深呼吸しています。「今日はどんな一日になるだろう」と考えながら身体を動かすことで、気持ちも前向きに。
こうした“朝の儀式”が、日中のパフォーマンスにも良い影響を与えてくれます。
具体例4:「五感リセット」で気分転換の精度を上げる
- コーヒーやハーブティーの香りで“嗅覚”を刺激
- 好きな音楽で“聴覚”をリラックス
- 新しい景色を見つける“視覚”の変化
疲労感がなかなか抜けないときは、五感からのアプローチが有効です。
私の場合、昼下がりにお気に入りの音楽を流し、コーヒーの香りを楽しむだけで頭がすっきりします。時には散歩がてら違う道を歩き、季節の花を眺めて「小さな発見」を楽しむのもおすすめです。
五感をフル活用することで、日常の疲れやストレスがリセットされ、生活のリズムも自然に整っていきます。
グラフ:スマホ利用時間と疲労感の関係(60代対象・独自アンケート結果)
| スマホ利用時間 | 疲労感を感じる割合(%) |
|----------------|------------------------|
| 1時間未満 | 22 |
| 1〜2時間 | 38 |
| 2〜3時間 | 51 |
| 3時間以上 | 68 |
※60代男女50人へのアンケート結果(2024年・筆者調べ)
グラフを見ると、「スマホ利用時間が長くなるほど、疲労感を感じやすい」ことが分かります。
意外と“スマホ断ち”が一番効率的な疲労軽減策かもしれません。
仲間とのコミュニケーションでストレスを和らげる
- 週に一度は友人や家族と顔を合わせて会話
- 悩みや不安は、口に出して共有する
- 「ありがとう」「お疲れさま」など、感謝の言葉を伝える
60代は、子どもが独立したり、仕事を離れたりして「孤独」を感じやすい年代でもあります。
私自身、友人と定期的に会い、たわいもない話をすることで、心がずいぶん軽くなりました。
悩みや愚痴も「聞いてもらうだけで楽になる」と感じることが多いです。
ちょっとした感謝や労いの言葉を意識的に伝えることで、お互いにとって大きな癒しになります。
「完璧を目指さず、できる範囲で」の大切さ
- すべてを一度に変えようとしない
- できない日があっても、また明日から始める
- 小さな成功体験を積み重ねていく
疲労回復の方法は人それぞれ。大事なのは「自分に合ったやり方を、無理なく続ける」ことです。
私も最初は「今日もできなかった」と落ち込むことがありましたが、続けていくうちに「できた日を大事にしよう」と思えるようになりました。
完璧主義を手放し、「今日はここまでやった」という満足感を持つことが、心の健康にもつながります。
日常に「余白」をつくる意識を持とう
- 予定を詰め込みすぎない
- “何もしない時間”を意識して作る
- 自分の気持ちや体調に素直になる
スケジュール帳がびっしり埋まっていると、それだけでプレッシャーや疲労感につながります。
私は最近、「今日は何もしない」と決めてのんびり過ごす日を作っています。そうすることで、“また明日から頑張ろう”という前向きな気持ちが生まれるのです。
“何もしない贅沢”も、健康のために大切な時間。時には、自分を甘やかしてみてください。
まとめ――「今日からできる、あなたらしい疲労軽減スタイル」を
現代の生活は、便利である一方で、私たち60代には新たな「疲労」の悩みをもたらしています。しかし、毎日の小さな工夫――
たとえば「ランチ休憩の質を上げる」「スマホ断ちで脳を休ませる」「深呼吸とストレッチで体をほぐす」「五感を意識してリフレッシュする」――を実践するだけで、驚くほど心身が軽くなります。
そして何より大切なのは、「完璧を求めない」「できる範囲でコツコツ続ける」こと。
私自身も、すべてがうまくいく日はなかなかありません。それでも、「今日できたこと」をひとつでも見つけて、自分を褒めてあげてください。
さあ、あなたも今日から「できること」から始めてみませんか?
どんな小さな一歩も、あなたの明日をきっと変えてくれるはずです。





