60代の資産事情に感じるリアル――あなたも感じる「お金の不安」と向き合うとき

私たち60代が人生の節目を迎えたとき、誰もが一度は「老後の資金、大丈夫だろうか?」と胸の奥で感じるものではないでしょうか。退職を迎え、自由な時間が増える一方で、将来に対する経済的不安もまた、日々の暮らしの中でふと顔をのぞかせます。
同じ世代の知人との雑談でも、話題になるのは「年金だけで大丈夫かな」「子どもには迷惑をかけたくない」といったお金にまつわる素直な気持ち。今日は、その資産事情のリアルな姿をデータとともに、私自身の実感も交えてお伝えします。あなたの今とこれからを、一緒に考えてみませんか?
金融資産3,000万円以上の60代世帯は全体のどれくらい?
- 3,000万円以上の金融資産を持つ世帯は約15%
- 残り85%は3,000万円未満という現実
- 思っているよりも「持っていない」人が多い
この数字は、私たちの世代が感じている“なんとなく”の印象とは少し違うのではないでしょうか。「うちの近所はもっとみんな持ってるんじゃない?」という声もよく聞きますが、実際には3,000万円以上持っている世帯は7世帯に1世帯程度。逆に言えば、ほとんどの人が“普通”に老後のお金の不安を抱えていることがわかります。
私自身、同級生と集まるとき、「資産はそんなに持っていないよ」と本音を話すと、実はみんな同じように不安を抱えていることに気づかされます。“自分だけじゃない”と知ることが、まずは安心への一歩かもしれません。
60代の金融資産分布――どこに多い?どこが少ない?
- 金融資産ゼロ~500万円未満の世帯も珍しくない
- 1,000万円~2,000万円台の層が一番多い
- 格差がはっきり見える現実
下記のグラフは、60代世帯の金融資産額の分布イメージです(※参考データに基づく再現グラフです)。
金融資産額 | 割合(%) |
---|---|
0~500万円未満 | 20 |
500~1,000万円未満 | 18 |
1,000~2,000万円未満 | 24 |
2,000~3,000万円未満 | 13 |
3,000万円以上 | 15 |
無回答 | 10 |
私の周囲でも、「貯金は1,000万円ちょっとしかない」という声をよく聞きます。逆に、3,000万円以上の世帯は少数派。資産の格差は現実として存在し、「老後のお金の話」はどの世帯でも真剣なテーマなのだと実感します。
老後資金に不安を感じる理由は?

- 年金だけでは生活が苦しいと感じる
- 予期せぬ支出(医療費や家の修繕など)が心配
- 長生きリスク=資産が底をつく不安
60代にとって一番の不安は「本当に最後までお金が持つのか?」という“長生きリスク”ではないでしょうか。実際、知人が急な病気で医療費がかさんだ話を聞いたとき、「やっぱり貯金は多めに持っておきたい」と強く感じたことがあります。
特に「子どもに迷惑をかけたくない」「自分のことは自分で」と思うからこそ、年金以外の“頼れるお金”を持っておきたい。でも、それが簡単ではないことも、60代の現実です。
年金の実際――本当に生活できる?意外な落とし穴
- 平均受給額は夫婦世帯で月22万円前後(2024年時点)
- 単身だと月12万円~14万円程度が中心
- 住宅ローン・家賃・医療費が家計を圧迫
「年金だけで暮らせるのか?」は、60代の間で一番ホットな話題です。私の家も、年金生活に入ったときは「想像より余裕がないな」と実感しました。持ち家があるか、借家か、医療費がどれだけかかるかで全然違ってくるのもポイントです。
また、孫へのお小遣いや冠婚葬祭など、予想外の支出も意外と多い。“ゆとりある生活”は年金だけではなかなか難しいのが現実です。
60代の「資産形成」――なぜ難しいのか?
- 若い頃からの貯蓄習慣がないと難しい
- 教育費・住宅ローンなどの支出が重なる世代
- 景気や社会の変化に影響されやすい
多くの60代が「もっと若いうちから準備しておけば…」と感じているのではないでしょうか。私も、子どもの進学や住宅ローン返済などで、貯蓄どころではない時期が長く続きました。
バブル崩壊やリーマンショック、コロナなど社会情勢にも左右されやすく、「資産形成の難しさ」を実感する場面がたくさんありました。“思うように貯められないのが普通”というリアルを、あえて伝えたいと思います。
60代がやっている資産運用・節約の工夫
- 定期預金や個人向け国債で“安全重視”
- 少額でも投資信託や株を始める人が増加
- ポイント活用や生活費の見直しで日々の節約
私の友人も、「今さら株なんて…」と思いつつも、証券会社で口座を開いてみたという話をよく聞きます。大きな利益より“守る投資”を重視しているのが60代の特徴。
また、毎月の食費や光熱費の見直し、ポイント還元の利用など、“コツコツ型”の節約が増えています。無理なく続けられる方法が、結局は一番の近道かもしれません。
働き続ける60代が増えている理由

- 年金だけでは足りない現実
- 生きがいや社会とのつながりを感じたい
- 健康のために「少しだけ働く」人も
私自身も、退職後に“完全リタイア”はせず、週に数日だけ働くスタイルを選びました。「まだまだ現役でいたい」という気持ちと、少しでも家計の足しになる安心感。周囲でも、「パートや再雇用で少し働いている」という60代が本当に増えています。
“お金のため”だけでなく、“居場所のため”に働く人も多い。働くこと自体が、気持ちの安定や生活リズムにつながるのを実感しています。
医療・介護費用への備え――想定外の出費にどう備える?
- 健康保険・介護保険でカバーできる範囲を確認
- 高額療養費制度など公的支援の知識が重要
- 「備えすぎて生活が苦しくなる」ジレンマも
60代以降は、突然の病気やケガで思わぬ出費がかさむことも。知人が入院した際、高額療養費制度のおかげで想定より少ない自己負担で済んだという話を聞き、改めて「公的支援の情報は知っておくべき」と実感しました。
ただ、「何でもかんでも備えよう」と思うと、日々の暮らしが窮屈になることも。必要な保険や備えを“見える化”することが大切です。
60代が今からできる「資産を守る」知恵
- 無理のない範囲で貯蓄・運用を続ける
- 詐欺やトラブルに注意する
- 家族との情報共有で“安心の輪”を広げる
資産運用や貯金の話になると、「今さら遅いのでは?」と感じる方も多いはず。でも、「これからの10年、20年」のために小さな積み重ねが大切です。
また、最近は高齢者を狙う詐欺も増加傾向。「自分だけは大丈夫」と思わず、家族や信頼できる人に情報を共有することも重要です。ちょっとしたことで大きなトラブルを防げるかもしれません。
これからの暮らしに向けて――「自分らしいお金の使い方」とは
- ゆとりある人生のために、メリハリのある支出を意識する
- 健康や趣味、自分のための“自己投資”も大切
- 無理なく続けられる工夫が一番
「老後のお金は減る一方」と思い込まず、“自分のために使う”ことも大切です。私も、「元気なうちにやりたいことはやろう」と、旅行や趣味に使うお金もあえて確保しています。
何にどれだけ使うかは人それぞれ。“人生のご褒美”を大事にすることで、暮らしにも心にもゆとりが生まれます。
60代の資産事情まとめグラフ――“平均”と“中央値”の違いに注意
60代世帯の金融資産額には平均値と中央値の差が大きく、格差の実態をよりリアルに示しています。
データ項目 | 金額 |
---|---|
平均値 | 約1,900万円 |
中央値 | 約1,200万円 |
平均値は一部の高資産世帯が引き上げていますが、“半分以上の世帯は1,200万円以下”というのが現実です。
この表を見ても、「みんながみんな持っているわけじゃない」「自分だけが不安なわけじゃない」と感じられるのではないでしょうか。
まとめ――「普通」で大丈夫。今日から始める“安心の準備”を
最後に――あなたも「本当に老後の資産は大丈夫かな」と思うことはありませんか?
私もその一人ですし、多くの60代が同じ気持ちを抱えていることを、今回改めて感じました。
“3,000万円以上”は一部の世帯だけ。ほとんどの人が「不安」と隣り合わせで暮らしている。大切なのは、「無理をせず、自分らしい準備と使い方を見つけていくこと」だと思います。
今日からできるアクション
- 家計の現状把握や、無理のない運用の検討
- 公的支援やお得な制度のチェック
- 家族や信頼できる人と、資産や不安について話してみる
一歩ずつでも、できることから始めてみませんか?
「普通」で十分。あなたらしい安心の形を、一緒に見つけていきましょう。



