“よく噛む”だけで変わる?――私が出会ったシンプル健康法

年齢を重ねると、「体型が変わった」「物忘れが増えた」と感じる方も多いのではないでしょうか。私自身、60代になってから「太りやすくなった」「人の名前が思い出せない」など、ちょっとした不調が気になり始めました。そんな折に出会ったのが、“よく噛む”ことの大切さです。
シンプルですが、実践してみると驚くほど心身が変わります。「面倒くさがらず、噛む回数を意識するだけ」で、ダイエットや脳の活性化、さらには認知症予防まで期待できる。これは誰でも、今日から取り入れられる健康法です。
本記事では、私自身の実体験やエピソードを交えつつ、“噛む習慣”がもたらすさまざまな効果についてわかりやすく解説していきます。さあ、口に運ぶそのひと口、あなたは何回噛んでいますか?
“よく噛む”ことで得られる3つの健康効果
- 満腹感が得やすくなり、ダイエット効果が期待できる
- 脳への刺激が増え、認知症予防や脳活性化につながる
- 消化吸収がよくなり、胃腸トラブルが減る
よく噛むというシンプルな習慣が、なぜここまで健康に良いのか。その理由は大きく3つあります。
まず、噛む回数が増えると脳の「満腹中枢」が刺激されるので、自然と食べる量が減り、ダイエット効果が生まれます。また、しっかり咀嚼することで脳の血流が良くなり、「思考力や記憶力アップ」「認知症予防」なども期待できます。そして、唾液の分泌が活発になり消化が助けられるため、胃もたれや便秘など胃腸の不調も減るのです。
私自身、「ちょっと太ってきたな」と感じてからよく噛むよう意識しただけで、間食や食べすぎがぐっと減りました。
ダイエットに効く“噛む回数”の秘密
- 一口30回噛むことで、食事量が自然に減る
- ゆっくり食べることで血糖値の急上昇を防げる
- 噛むことで消費カロリー自体もわずかに増加
ダイエットと聞くと、つい「食べない」ことを考えがちですが、実は「しっかり噛んで食べる」ほうが大切です。
なぜなら、満腹感は食事開始から15~20分後にやってくるため、早食いだと“食べすぎ”につながりやすいからです。
例えば私の場合、以前はあっという間に食事を終えていましたが、一口30回を意識しただけで「もうお腹いっぱい」と感じるタイミングが早くなり、結果的に食べ過ぎることがなくなりました。加えて、噛むことで消費カロリーも少し増え、ダイエット効果がじわじわ実感できました。
認知症予防――“噛む”が脳に与える良い刺激
- 噛む動作が脳内の血流を活発にする
- 唾液の成分がアルツハイマー予防に関与する可能性
- “よく噛む人”は認知症発症リスクが低いという研究も
認知症は「誰にでも起こりうる」身近な問題です。よく噛むことで、脳の“前頭葉”や“海馬”といった記憶に関わる部分の血流が良くなり、脳がイキイキと働きやすくなるのです。
唾液中には「神経成長因子」という脳の働きを助ける成分も含まれており、これが認知症予防に役立つのではないかと近年注目されています。
実際、私の親しい友人(70代)は入れ歯が合わなくなり、食べるのが面倒で柔らかいものばかり食べていましたが、咀嚼回数が減ってから「人の名前が出てこない」など脳の働きが鈍くなったと自覚したそうです。
グラフで見る:“噛む回数”と満腹感・食事量の関係
噛む回数(一口) | 平均満腹感 | 食事量(ごはんg) |
---|---|---|
10回 | やや低い | 300g |
20回 | 普通 | 250g |
30回 | 高い | 200g |
50回 | 非常に高い | 170g |
(※某大学研究データより編集)
この表は、一口ごとに噛む回数を増やした場合の満腹感の違いと実際に食べる量の平均を示したものです。
実際にやってみるとわかりますが、10回程度だとすぐに飲み込んでしまい、どうしても「もっと食べたい」と感じがち。しかし30回も噛むと、しっかり満足感が得られます。
私も30回を基準にすると、「少量でもお腹が満たされる」感覚が明らかに増えました。「食べすぎて後悔」ということが本当に減りました。
なぜ噛む回数が減ってしまうのか?――現代人の食生活の問題点
- 柔らかい食べ物・ファストフードが増加
- “ながら食い”で咀嚼が疎かになる
- 忙しさから「時短食事」優先に
今の食卓を見渡すと、カレーやパスタ、ハンバーガー、丼もの…と柔らかくて食べやすいものばかりです。
さらに、テレビやスマホを見ながらの「ながら食い」で、噛むこと自体を意識しなくなっている人も多いはず。私も一時期、「早く済ませてしまおう」と時短ばかり考えていたら、あっという間に食事が終わり、満足感も半減していました。
でも少し立ち止まって、「ゆっくり味わう」「よく噛む」に意識を向けると、心も体も変わっていきます。
どのくらい噛めばいい?“理想の噛む回数”とは
- 一口につき30回が目安とされる
- 食材の硬さや大きさによって調整が必要
- 最初は10回ずつ回数を増やすのがおすすめ
よく「何回くらい噛めばいい?」と聞かれますが、基本は“一口30回”です。
とはいえ、硬いお肉や根菜などはもう少し噛む必要がありますし、柔らかいご飯なら20回でもOK。
無理に数を数えるのは大変なので、「いま10回だな」と思ったら次は15回、というふうに少しずつ増やしていくのがコツです。私は初めは15回程度から始めて、今では自然と30回噛めるようになりました。ちょっとしたゲーム感覚でやると、楽しく続けられますよ。
“よく噛む”ことで感じた体調変化――私の体験談
- 食後の満腹感が長く続くようになった
- 間食や夜食の欲求が減った
- 便秘や胃もたれなどの消化トラブルが改善
私自身の体験談として、「よく噛むようになってから体調が明らかに変わった」と実感しています。
まず、食事後の満腹感が以前よりしっかり続き、無駄な間食が減りました。
また、昔はたびたび悩まされていた便秘や胃もたれも、ほとんど感じなくなっています。よく噛むことで唾液がたくさん出て、消化が助けられるからでしょう。
「食べるのが面倒」「早く済ませたい」と思っていた自分が嘘のように、食事の時間が楽しい“健康習慣”になりました。
“噛む”ことが脳を守る?――最新研究とデータ

- 噛むことで前頭葉・海馬が活性化する
- 高齢者ほど“噛む力”が重要になる
- 噛む力が弱い人ほど認知機能の低下リスクが高い
高齢になるほど、噛む力や歯の本数が健康と直結します。
ある研究によると、「歯が20本以上残っている人」と「10本以下の人」では、認知症発症リスクが2倍以上違うというデータもあります(※下記表参照)。
さらに、しっかり噛める人は脳の“記憶野”が活発に働くことがMRI検査などで明らかになっています。
「歯が悪いから…」と諦めず、噛む工夫をすることで脳の元気を保てるのは大きな希望です。
歯の本数 | 認知症発症リスク(相対値) |
---|---|
20本以上 | 1.0(基準) |
10本以下 | 2.1 |
(※厚生労働省調査データより編集)
“噛む”ための簡単工夫――今日から始める習慣化のコツ
- 食材を少し大きめにカットして調理する
- 固め・歯ごたえのある食材を意識的に使う
- 食事中はテレビやスマホをオフにして“食べること”に集中する
実践のコツとして、「食材を大きめに切る」「歯ごたえを楽しむ」「ながら食いをやめる」だけでも噛む回数は自然と増えます。
例えば私は、お味噌汁の具材を大きめに切る、鶏肉や野菜の歯ごたえを楽しむ、などの工夫をしています。また、食事中は“テレビオフ”で食べることに集中。
最初は「面倒だな」と思うかもしれませんが、これが習慣になれば、自然と食事が健康タイムに変わります。
“よく噛む”が続かない時の対策――無理なく続けるコツ
- 1回の食事だけ“よく噛む”日を作る
- 家族や友人と「噛み数チャレンジ」などで楽しむ
- “よく噛むと〇〇が良くなる”など、成果を記録する
「意識してもつい忘れてしまう」という方も多いでしょう。そんな時は、毎食じゃなくて一日一回だけ“噛む習慣デー”を作るのがおすすめです。
また、家族や友人と「今日は何回噛めるか?」など遊び感覚で競い合うのも効果的。
私はスマホのメモアプリで「よく噛めた日」を記録していますが、意外と達成感があり続けやすいです。「最近調子がいいな」と思えるとモチベーションも上がりますよ。
60代から始める“噛む習慣”――老後の健康を守るために
- 歯科受診で自分の噛む力をチェック
- 入れ歯や歯周病ケアも“よく噛む”ための大切な土台
- 年齢を重ねても噛む力を保つ工夫が大切
60代以降は、「歯が悪くて…」「入れ歯だから…」と“噛むこと”を諦めてしまいがちですが、口腔ケアと噛む意識は一体です。
私は定期的な歯科検診を受けて、必要があれば入れ歯の調整も欠かしません。しっかり噛める環境を整えることで、健康寿命も大きく伸びると実感しています。
「どうせもう遅い」と思わず、できることから始めてみてください。今が一番若いタイミングです。
まとめ:今日から“ひと口30回”チャレンジ!あなたも人生が変わる
ここまで、“よく噛む”習慣がもたらすダイエット効果、認知症予防、体調改善まで――さまざまなメリットをお伝えしてきました。
「ひと口30回」、たったそれだけの意識で、食べる量も自然と減り、体も脳も健康に近づきます。
「昔はよく噛んでいたな」「最近早食い気味かも?」と感じたあなた、ぜひ今日の食事から一回でも多く噛んでみてください。
――“噛む”というシンプルな行為が、これからの人生をもっと健やかに、前向きにしてくれるかもしれません。
あなたは、明日の食事で何回噛むことを意識してみますか?



