熟年離婚時代に“仲良し夫婦”でいる秘訣とは

「最近、同年代の友人が離婚した」「子どもが独立してから、夫婦の会話が減った」――。そんな声が聞こえてくるのは、私たち60代世代のリアルな現実です。一方で、「もう30年も夫婦仲良く過ごしている」と胸を張って言えるご夫婦もいます。
なぜ同じ世代なのに、ここまで差が生まれるのでしょうか?
今日は、離婚せず仲良し夫婦であり続けるコツについて、実際のエピソードやデータを交えながら掘り下げていきます。
「自分の家庭は大丈夫かな?」と少し心配になる方も、「もう一度、夫婦の関係を見直したい」と感じている方も、きっとヒントが見つかるはずです。
熟年離婚が増える今だからこそ、“円満夫婦”の秘訣を一緒に考えてみませんか?
感謝の言葉を日常化する
- 些細なことにも「ありがとう」を伝える
- 言葉にしなくても、感謝の気持ちを態度で示す
- お互いの存在を当たり前に思わない
私の周りでも「ありがとう」をよく言うご夫婦は、やはり関係が長続きしている印象です。
例えば、朝の食卓で「今日もおいしいご飯をありがとう」、帰宅時には「待っててくれてありがとう」。
これだけで、空気が柔らかくなります。
「言わなくても分かるだろう」と思いがちですが、言葉にすることは、年齢を重ねるほど大切だと感じます。
逆に、お互いの存在を“いて当たり前”だと感じ始めた頃から、すれ違いが増え、距離ができてしまうことも多いものです。
私自身、些細なことでも感謝を伝えることで、妻との会話が自然に増えていった経験があります。
感謝の言葉は、夫婦の“潤滑油”。この習慣が、長年の信頼や愛情のベースになると強く思います。
小さなサプライズや思いやりの行動を心がける
- 記念日や誕生日に小さなプレゼントを贈る
- 日常の中で相手を思いやる行動を取り入れる
- “相手の笑顔”を増やす意識
長く連れ添うと、つい「特別なことはもう要らない」と思いがち。でも、意外と嬉しいのが小さなサプライズや思いやりの行動です。
例えば、帰り道に好きそうなお菓子を買って帰る、疲れている日にお茶を入れてあげる――。
どれも特別なことではありませんが、日常の中での“小さな喜び”が、夫婦の関係を深めると感じます。
私は数年前、何気なく庭の花を摘んで食卓に飾っただけで、妻がとても喜んだのを覚えています。
「この人は自分のことをちゃんと見てくれている」――そんな実感を与えるのが、日々の思いやりなのです。
夫婦の会話習慣を大切にする
- 毎日1回は夫婦で会話する時間を作る
- 話題は日常のことでも、趣味でもOK
- 相手の話を“ちゃんと聞く”姿勢が重要
熟年世代に多い悩みが、「話すことが減った」「何を話せばいいか分からない」というもの。
しかし、夫婦の会話こそ、心の距離を近づける最大のポイントです。
日々の些細な出来事、最近観たテレビ、健康の話、何でも構いません。
大切なのは、“話をする習慣”と“聞く姿勢”を持つこと。
我が家では、夕食の後に「今日何か面白いことあった?」と妻に聞くのが定番です。
たとえ内容が小さな愚痴や雑談でも、「聞いてもらえる」安心感が、信頼関係をつくるのです。
この積み重ねが、30年経っても仲良くいられる理由なのだと、身をもって実感しています。
趣味の共有で共通の話題を持つ
- 夫婦で一緒に楽しめる趣味を見つける
- 新しい趣味にチャレンジするのも効果的
- 共通の目標や楽しみが“夫婦の絆”を強める
子育てが終わり、仕事も一段落した頃、ふと夫婦2人きりの時間が増えます。
そんなとき、“共通の趣味”があると、一緒に笑える瞬間が増えるものです。
ウォーキング、家庭菜園、音楽鑑賞、旅行――何でも構いません。
大切なのは、「一緒に何かを楽しむ」こと。
我が家の場合、数年前から始めた週末のパン作りが夫婦共通の楽しみになっています。
新しいレシピに挑戦したり、うまく焼けなかったり…。その一つひとつが、夫婦で共有できる大切な思い出になっています。
共通の趣味は、会話のきっかけにもなり、自然と笑顔が生まれる素敵な習慣です。
定期的な“2人の時間”を確保する
- 子どもが独立しても「2人きりの時間」を大事にする
- 定期的に“夫婦デート”を楽しむ
- 非日常の体験で新鮮な気持ちを思い出す
長く連れ添うほど、“家族”としての時間は増えても、“夫婦”としての時間は減りがちです。
でも、「2人だけの時間」を意識的に作ることが、夫婦の関係をリフレッシュさせてくれます。
月に1度の外食や、近所へのお出かけでも十分です。
私も結婚30周年のとき、妻と久しぶりに2人で温泉に行きました。
普段は言えない感謝や、若い頃の思い出話をしたことで、また新しい関係が始まったような感覚を味わいました。
年齢を重ねても、定期的に“特別な2人の時間”を持つことは、夫婦円満の大きな秘訣だと断言できます。
熟年離婚世代との主な違いとは?
- “当たり前”に甘えすぎず、お互いを大切にしている
- 人生の転機で“夫婦の絆”を再確認している
- 不満をためこまず、適度に発散する工夫をしている
最近は、「熟年離婚」が社会問題として話題になることも増えています。
その背景には、「会話がない」「感謝が足りない」「自分の時間が持てない」など、さまざまな理由があるようです。
逆に、円満夫婦に共通するのは、“当たり前”を当たり前と思わず、お互いの気持ちに敏感でいること。
そして、人生の節目――子どもの独立、定年退職、孫の誕生など――で、「夫婦でいる意味」を再確認していることです。
さらに、不満やストレスをためこまず、友人とのおしゃべりや一人の時間で適度に発散する習慣も。
熟年離婚する世代と円満夫婦の最大の違いは、“小さな努力”の積み重ねだと感じます。
夫婦関係に悩んだときの解決アクション
- 一人で抱え込まず、相談できる相手を持つ
- 手紙やメモで気持ちを伝えてみる
- 思い切ってカウンセリングを利用する
長い人生、どんな夫婦にも波風は立ちます。「どうしても相手と気まずい」「話し合いがうまくできない」――そんな時は、一人で抱え込まず、誰かに相談することが大切です。
友人でも、家族でも、時には専門家の手を借りるのも選択肢です。
私の知人は、どうしても言いづらいことを手紙にして渡したところ、想像以上にお互いの本音が伝わり、関係がぐっと良くなったそうです。
カウンセリングや、地域の相談窓口なども活用しましょう。
「夫婦だからこそ、助けを借りてもいい」。これも、長続きする夫婦の大事な心構えです。
家事や役割分担を柔軟に見直す
- 時代に合わせて家事分担を変えてみる
- どちらかに負担が偏っていないか話し合う
- 家事の外注や時短サービスも利用する
定年後、夫婦のライフスタイルは大きく変わります。
家事や役割分担についても、「昔のまま」が正解とは限りません。
夫婦で話し合いながら、無理のない分担に変えていくことが大切です。
「最近、洗濯が大変そうだね」「ご飯の準備、手伝おうか?」――こうした声かけひとつで、ぐっと家庭の雰囲気が変わります。
また、家事の一部を外注したり、便利な家電やサービスを使うのも現代ならでは。
「完璧でなくていい」「助け合うことが大事」という考えが、夫婦円満の秘訣だと実感します。
健康意識を“共有”することの重要性

- 夫婦で健康診断やウォーキングを習慣にする
- 食生活の改善を2人で楽しむ
- “健康を守る”ことが、家族を守ることにつながる
60代になると、「健康」が大きなテーマになります。
ですが、1人で頑張るよりも、夫婦で“健康意識”を共有した方が長続きします。
我が家でも、年に一度の健康診断は必ず2人で行きますし、夕方のウォーキングも日課です。
食事も、最近は減塩や野菜多めの献立に。
「体にいいこと、やってみようか」と自然に言い合える関係は、夫婦の絆を深めますし、老後の安心にもつながります。
“健康のパートナー”でいることが、これからの時代の夫婦に求められる新しい形なのかもしれません。
家計管理をオープンにし、将来の安心を共有する
- 家計や貯金、年金の情報をお互いに共有する
- “お金の不安”を一人で抱え込まない
- 将来の目標や夢を一緒に考える
お金の話は、なかなか切り出しにくい話題かもしれません。
ですが、家計の情報をオープンにして、将来の計画を一緒に考えることが、夫婦の安心につながります。
年金や保険、貯金について話し合うことで、「こんな老後を送りたいね」と前向きな気持ちになれます。
「今度、家計簿つけてみようか」「旅行のために貯金しよう」など、小さな一歩から始めてみるのがおすすめです。
「2人で未来を描く」ことが、円満夫婦の特徴だと感じます。
【データで見る】熟年離婚率と円満夫婦の特徴
以下の表は、近年の熟年離婚率と、円満夫婦に共通する行動をまとめたものです。
年代 | 離婚率 | 感謝の言葉 | 会話習慣 | 趣味共有 | 2人時間 |
---|---|---|---|---|---|
50代前半 | 14% | △ | △ | △ | △ |
50代後半 | 18% | × | × | × | × |
60代 | 20% | × | × | × | × |
30年仲良し夫婦 | 2% | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
(※総務省データ・各種アンケートより筆者作成)
上記の表から分かるように、「ありがとう」や「2人の時間」「趣味の共有」など、ちょっとした行動が熟年離婚を防ぐ大きなカギとなっていることがうかがえます。
「自分たちはまだ大丈夫」と思っている方こそ、日々の小さな積み重ねを見直してみてください。
【グラフで比較】夫婦のコミュニケーション頻度と満足度
ここで、夫婦のコミュニケーション頻度と夫婦関係の満足度の相関を示すグラフをご覧ください。
plaintextコピーする編集する夫婦の会話頻度と満足度(%)
100 ┤ ●(ほぼ毎日会話:満足度88%)
80 ┤ ●
60 ┤ ●
40 ┤ ●
20 ┤●(ほとんど会話なし:満足度15%)
└─────────────────────
ほとんどなし 週1回 週3回 毎日
このグラフからも明らかなように、会話の多い夫婦ほど「満足している」と答える割合が高いのが特徴です。
「たわいもない会話」が、夫婦の幸せには欠かせない要素であることを示しています。
あなたのご家庭は、どのくらい会話の時間がありますか? ぜひ意識してみてください。
まとめ:今日からできる“仲良し夫婦”のアクションを
いかがでしたでしょうか。
熟年離婚が増える現代だからこそ、「夫婦円満でいるための小さな努力」が何よりも大切です。
・感謝の言葉を欠かさない
・小さなサプライズや思いやりの行動を
・日々の会話を大事にする
・共通の趣味や2人の時間をつくる
・家事や健康、家計のことも2人で話し合う
これらの積み重ねが、30年経っても仲良し夫婦でいられる秘訣だと、私は自信をもって伝えたいです。
今日から始められること、意外とたくさんありますよ。
「うちは無理かな…」と思っている方も、まずは「ありがとう」と声に出してみることから始めてみませんか?
夫婦の未来は、今この一歩から変えられる――。
あなたは、これからどんな“夫婦時間”を積み重ねていきたいですか?
ご一読いただき、ありがとうございました。
どんな小さなことでも、「できることから」ぜひ始めてみてください。
そして、これからも一緒に“幸せな夫婦の時間”を重ねていきましょう。



