賃貸か持ち家かで迷う夜に読んでほしい、これからの住まいと安心を考えるやさしい話

賃貸か持ち家か
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賃貸か持ち家か――60代からの住まい選びは「正解探し」より「備え」で決まる

賃貸か持ち家か

夕方のニュースで「家賃が払えず住み替えに苦労する高齢者が増えている」と聞くたびに、胸がきゅっとします。私は60代の男で、若い頃は「住まいはなんとかなる」と軽く考えていました。でも、年を重ねるほど住まいは“生活の土台”であり、“心の安心”そのものだと実感します。

今回ご紹介するのは、YouTubeの漫画動画で描かれていた「持ち家派」と「賃貸派」の二人の老後の対比です。持ち家派の田花さんは「家は資産、最後は残せる」と考える安定志向。賃貸派の東関さんは「身軽がいちばん、転職も転勤も自由」と考える自由志向。どちらが正解という話ではありません。ただ、60歳を過ぎてからの現実は、若い頃の“気合い”だけではどうにもならない場面が出てきます。

この記事では、動画の内容をヒントにしつつ、私なりの体験や意見も交えながら、同世代のみなさんが「今できる備え」を具体的に整理します。読み終えるころには、今日から一つだけ行動できるはずです。よかったら、あなたの状況と照らし合わせながら読んでくださいね。

老後の賃貸が「しんどい」と感じやすい理由を、先に知っておく

なぜ60代以降の入居審査は“壁”になりやすいのか

動画の中で刺さったのは、賃貸派の東関さんが年齢を重ねてから「次の部屋が見つからない」という壁にぶつかる場面でした。これは大げさな演出だけではありません。内閣府の高齢社会白書でも、65歳以上の住居形態は持ち家が8割を超えると示されていて、そもそも“高齢になって賃貸を探す人”が少数派になりやすい現実があります。

さらに同じ白書では、賃貸人(大家等)の側が高齢者の入居に拒否感を持つ割合が7割弱とされ、不安の構造が見えるんです。

「高齢だからダメ」ではなく、心配の種がある

ここで大事なのは、「高齢者だからダメ」という単純な話ではなく、貸す側に“心配の種”があるという点です。国交省の研究報告でも、緊急連絡先の確保、見守りの費用やプライバシー、亡くなった後の残置物対応などが実務上の課題として挙げられています。

つまり、対策を用意できるほど、交渉の土俵に乗りやすいということです。

私の小さな体験談ですが、父の知人が70代で転居したとき、いちばん苦労したのは「収入」より「連絡先」でした。息子さんは遠方、親戚も高齢で、保証人になれない。

結果、見守りサービスと家賃保証をセットにして、やっと話が進みました。本人は「なんでこんなに面倒なんだ」と肩を落としていましたが、私はその背中を見て、正直こわくなりました。住まいって、気持ちが弱っているときほど必要なのに、そのときほど取りにくいんですよね。

こちら側でできる“現実的な打ち手”を用意する

では、賃貸の老後で“つまずきやすい点”を箇条書きで整理します。

  • 入居審査で「収入の安定」「緊急連絡先」「見守り体制」を求められやすい
  • 住み替えが必要になったとき、内見や手続きが体力勝負になりやすい
  • 家賃が一生続くため、医療・介護費とのバランスが崩れるとしんどい
  • 住環境の小さな不具合(段差・寒さ・騒音)が、年齢とともに大きな負担になる

私見として、私たち世代は「家主さんも人間だから、話せば分かる」と思いがちです。もちろん誠実に向き合う姿勢は大切。

でも、賃貸の現場は“仕組み”で動くことも多いです。管理会社のルール、保険や保証の条件、近隣への配慮。そこに「もしもの時の対応」が乗ってきます。

だからこそ、気持ちだけで突破しようとせず、準備で勝つのがいちばんやさしい戦い方だと私は思います。たとえば、家賃保証会社の利用や見守りサービス、緊急連絡先の候補を早めに決める――これだけで話が前に進むことがあります。

下の表は、貸す側が抱えやすい不安と、こちら側でできる“現実的な打ち手”を並べたものです。完璧じゃなくていいので、できそうなところに丸をつける気持ちで見てください。

貸す側の不安(よくある)こちらが用意できること(例)
室内での急病・孤独死が心配緊急連絡先/見守りの導入/定期連絡の方法を提示
家賃滞納が不安年金受取・支出の見える化/保証会社の利用
亡くなった後の残置物対応身元保証・死後事務の相談先を明確にしておく
近隣トラブルが不安生活ルールの共有/静かな住環境を選ぶ

さて、あなたは今、「もし来月住み替えが必要になったら、頼れる連絡先は誰だろう?」と聞かれて、すぐ名前が浮かびますか。

浮かばないなら、それは不安ではなく“課題”です。課題は、手を打てます。怖がらせたいのではなく、早めに気づいて楽になってほしいんです。

私はこういう話になると、ついおせっかいが出てしまうんですが……読んでくれているあなたの未来が、ちゃんと穏やかであってほしいからです。

持ち家は「安心」だけじゃない:維持費と身動きの重さを甘く見ない

「ローン完済=ゴール」と思い込みやすい落とし穴

動画の田花さん(持ち家派)は、「ローンを払い終えたら勝ち」と胸を張っていました。確かに、家賃がなくなる安心感は大きいです。

実際、同世代の多くが持ち家に住んでいるというデータもあり、持ち家は“多数派の安心”として選ばれてきました。 ただ私は、持ち家の安心には“条件”が付くと思っています。

条件とは、家を維持できる体力とお金、そして「住み続ける前提」が崩れたときの逃げ道です。

維持費は静かに増える:修繕・税・管理は“あとから来る”

私の身近なエピソードを一つ。友人が60代で親の家を相続しました。立派な一戸建てで、本人は「これで家賃から解放だ」と喜びました。ところが数年後、階段の上り下りがきつくなり、冬の寒さが骨にしみるようになった。

リフォームを考えたものの、見積もりの金額に目が点。さらに固定資産税や修繕、庭の手入れ…“持ち家の仕事”は、じわじわ増えます。最終的に、駅近の小さな住まいに住み替えたのですが、今度は売却の手続きや片付けが大仕事でした。

「家って、資産でもあるけど、同時に荷物でもあるんだな」と、彼がぽつりと言ったのが忘れられません。

ちなみに、総務省の資料では「高齢単身世帯」のうち借家が3割強という数字も出ています。 つまり、持ち家が多いとはいえ、ひとり暮らしで賃貸を選ぶ(あるいは選ばざるを得ない)人も確実にいる。相続や離別、転勤、介護。人生は、こちらの都合だけで進みません。

私見:家を守るより先に「自分を守る」

ここで私見をはっきり言います。持ち家は、人生の後半ほど「小回りの効かなさ」が課題になります。

病院への距離、買い物の導線、雪や災害のリスク、家の老朽化。若い頃は我慢できたことが、60代以降は“体に直撃”するんです。だからこそ、持ち家の人ほど「住み替え」や「縮小(ダウンサイジング)」を“負け”と捉えないでほしい。むしろ、暮らしを守る立派な作戦です。

持ち家派の方に、私はこんなチェックをおすすめします。

  • 5〜10年先、階段・段差・寒さは今のままで大丈夫そうか
  • 修繕費の積み立て(屋根・外壁・給湯器など)を具体的に見えているか
  • 災害時に孤立しない立地か(坂・バス便・近所付き合い)
  • 売る/貸す/相続するの“出口”を家族と話しているか

もう一つ、私の“反省”も書かせてください。私は昔、家を買った友人に「お、勝ち組だね」なんて軽口を叩いたことがあります。

本人は笑っていましたが、今なら分かります。家は勝ち負けではなく、“自分の暮らし方の選択”です。どちらを選んでも、見ないふりをするとツケが来る。だからこの記事では、選択を煽るのではなく、選んだ後の現実を一緒に整えたいんです。

あなたに問いかけです。もし今日、体調を崩して「半年だけでも便利な場所に移りたい」と思ったら、今の家はそれを許してくれますか?

住まいは、私たちの自由を守る道具でもあります。自由を守るために、住まいを“固定しすぎない”。この感覚が、私はこれからの60代に必要だと思っています。

最後に、持ち家の安心を活かすコツを一言で言うなら、「家を守る」より先に「自分を守る」です。家のために無理をすると、肝心の体と心が削れてしまう。

そうならないように、年に一度だけでも“家の健康診断”をして、早めに手を打っておきましょう。これ、地味に効きますよ。

60代からの「住まいの作戦会議」:賃貸でも持ち家でも、今日からできる備え

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制度の追い風はある。でも“知っている人が得をする”

動画は極端な対比で見せてくれますが、現実の答えはたいてい“中間”にあります。賃貸の身軽さを活かしながら、いざという時の支えを用意する

。持ち家の安心を活かしながら、住み替えも選択肢に入れておく。私はこの「両にらみ」が、いちばん優しいと思っています。

ここで心強い動きもあります。政府広報オンラインでは、単身高齢者などが賃貸を断られる背景(孤独死や家賃滞納などの不安)に触れつつ、入居時の不安を減らす仕組みづくりとして、住宅セーフティーネット法の改正などを紹介しています。

“制度が整ってきている”というのは希望です。ただし制度は、知っている人にしか届きません。だから、難しい言葉はさておき、私たちが今日できる行動に落とします。

今日からできる4ステップ:小さく始めて、大きく安心

私がおすすめするのは、次の4ステップです。

  • ① お金の見える化:家賃(または修繕費)+医療・介護費をざっくり月額で並べる
  • ② 連絡先の整備:緊急連絡先候補を2人、代替案(サービス利用)も1つ用意
  • ③ 住環境の棚卸し:段差・寒さ・交通・買い物・病院までの距離を点検
  • ④ “出口”の確認:住み替え/売却/賃貸/施設など、次の一手を言語化する

「うわ、面倒くさい」と思いました? 分かります。私も面倒くさがりです。でもね、面倒は“元気なうち”に片付けると、後がすごく可愛いんです。将来の自分が「よくやった、私!」って言ってくれます(私は言ってます、たまに)。

早見表でサクッと整理:あなたの“備えどころ”はどこ?

下の表は、賃貸派・持ち家派それぞれの“備えどころ”をまとめた早見表です。どちらの立場でも、やることは案外シンプルですよ。

立場つまずきやすい点今からの備え(例)
賃貸入居審査・住み替えの体力負担見守り/保証/連絡先の準備、住み替えの候補エリアを決める
賃貸家賃が一生続く不安住居費の上限を決め、固定費を減らす
持ち家修繕・税・管理の負担修繕積立を作る、家の点検の習慣化
持ち家住み替えが遅れて身動きが取れない早めに小さな住まいも内見しておく

そして最後に、いちばん大事な“心の備え”を置いておきます。私たち世代は、我慢が得意です。誰にも迷惑をかけたくなくて、困っても黙ってしまう。でも住まいの問題は、黙るほどこじれます。相談は、弱さじゃなくて知恵です。

地域の相談窓口、家族、信頼できる不動産屋さん。誰か一人に話せたら、景色が変わります。

私の小さな感動エピソードも。先日、近所の同世代のご夫婦が「終の棲家のつもりだった家」を手放し、駅前の小さなマンションに移りました。引っ越しの当日は、少し寂しそうな顔。

でも数週間後に会ったら、奥さんがぱっと笑って「病院もスーパーも歩いて行けるの。毎日が遠足みたい」と言うんです。

ご主人も「家を売ったら負けだと思ってたけど、あれは思い込みだった」と。私はその言葉に、胸がじんわり温かくなりました。住まいを変えるのは、人生をあきらめることじゃない。

人生を“続けやすくする”選択なんだ、と。私も、そういう背中を追いかけたいです。

あなたの“次の一手”は何でしょう。今夜、家族や友人に一度だけ話題にしてみませんか。

住まいの話は、お金の話であり、体力の話であり、そして何より「これからの安心」の話です。動画のように、持ち家と賃貸を白黒つけると分かりやすい。でも現実はもっとやさしくて、もっと複雑です。大切なのは、どちらを選ぶかより、選んだ後に“備え”を置けているかだと私は思います。

私は60代になってから、できないことが少しずつ増えました。重い荷物を持つのも、夜更かしするのも、若い頃のようにはいきません。でもその代わり、できる工夫も増えました。先回りしてメモを残す、必要なところにお金を使う、助けを借りる。これらは、恥じゃなくて立派な大人の技です。

最後に、私が最近じーんとした出来事を。自治会の集まりで、ひとり暮らしの先輩(70代)が「この前、見守りの仕組みを入れたんだ」と教えてくれました。

私は内心「そこまでしなくても」と思ったのですが、先輩は笑って「これで子どもが安心するし、私も安心。安心が二倍だよ」って言うんです。その言葉が、妙にかわいくて、強くて、私の胸に残りました。安心は、一人で抱えるより、分け合ったほうが増えるんですね。

もし今日の記事が、あなたの“住まいの不安”を少しでも言葉にできたなら、次は行動です。連絡先を決める。お金を見える化する。家の弱点を一つ直す。どれでもいいので、ひとつだけ。あなたの明日が、静かに整っていきますように。

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